イスラエルリーグにはなくてJリーグにはあるもの
Jリーグ初のイスラエル人選手、ネタ・ラヴィがガンバ大阪の中盤で圧巻の存在感を示し続けている。
局面でのボール奪取力はもちろん、厳しい体制からでも前を向いてボールを配れる強さも頼もしい限り。来日当初は、初めて体感する試合の流れ、テンポはもとより、慣れない試合間隔に順応するのにやや時間を要したと聞くが、日本での公式戦出場も10試合を超え、チームにもJリーグにもアジャストしたと言っていい。
「イスラエルでは試合は常に夜に行われていたので、実は僕には『デーゲーム』(昼開催の試合)の経験がほぼありません。そういう意味では食事を摂るタイミング、体の準備、睡眠時間までいろんな調整が必要で、来日当初はその『時間』へのアジャストというか、どうすれば昼間の時間にトップコンディションを持っていけるのかを探る必要がありました。
またプレー面でも、僕が以前プレーしていたイスラエルリーグに比べて、日本のサッカーはすべてのテンポが速いです。判断や思考をそこに合わせて狭い局面から早く抜け出したり、的確にボールを動かせるようになるまでに少し時間を要したところもあります。
でも、今は公式戦を重ねてJリーグの戦いに慣れてきたこともあり、繰り返し映像で自分やチームのプレーを見直して、どこに改善点があり、何を修正して臨むべきかを考えてきたことで、頭で描くことをプレーで表現できるようになってきました。もちろん、今のパフォーマンスが僕のすべてではないですが、少なからず理想的にプレーできる時間、シーンが多くなってきたという手応えはあります」
しかし、現在チームは17位と低迷しており、未だ彼のパフォーマンスがチームの勝利に直結しているとは言い難い。今季のガンバは新監督に就任したダニエル・ポヤトス監督のもとで昨年までとは大きく異なるサッカーに取り組んでいる中でチーム構築に時間がかかっているからだ。