「俺は目まぐるしく攻守が入れ替わる
サッカーのようなセックスがしたい」

夜の部は、これだけでは終わらない。一次会が終わる時間は21時前。「速やかにご退場ください」という司会の指示に従い会場を出ると、先に出た男たちが入り口付近で待機しており「二次会行きませんか」と誘ってくる。
私はCさんと、ぽっちゃり系38歳専業主婦とパーティに参加していた男性3人組と共に3対3の二次会へ。

ここではさらなるぶっちゃけトークが繰り広げられた。Cさんは「夫とはもう10年以上レス、やっぱり寂しいよねー」と言うと、38歳主婦は「ウチは夫とは週2、3回してますよ」と、軽くマウント。このパーティは「非日常を味わうために来てる」のだとか。

また、メーカー勤務の45歳男性Dさんは「既婚者向けアプリも使ってる」という。そこで出会った女性とのこんなゲス話を披露してくれた。

「先日、アプリで出会った女性と飲みに行ったんだけど…なんか将来、自分がやりたい仕事だの夢だのの話を始めて“いまその話されても…”って全然乗らなくて。でも、なんかの話の流れで脱毛がどうのって言い出したから“シモ系ついでにエッチな話でも…”って思ったのに“今まさに介護脱毛してる”とか言い出すからガッカリ。

なんてデリカシーがないんだと。俺はこれから介護脱毛の女を抱くのかと。一応、そういう流れになったんでバイアグラも仕込んだけど…結果おもろくなかった。プレイスタイルが完全に“野球”っていうか。わかりやすく1セットで攻守交代するんじゃなくて、俺は目まぐるしく攻守が入れ替わるサッカーのようなセックスがしたいんだよ…」

《即日ワンナイトも》お盛んな既婚者パーティの実態。女性はときめきを求め、男性は寂しさと少しのいやらしさを胸に抱えて出会いを求める_3
アプリでベッドの“サッカー”対戦相手を探していたDさん
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やかましいわ、と思わずツッコミを入れたくなるDさんの語りぶりだが、その影にはこんな“寂しさ”や“やるせなさ”があった。

「妻とは10年近くレス。ウチは共働きで妻の方が稼ぎがいい。俺も転職前までは妻と同収入だったけど、二人目ができてからは働き方を変えて残業のない業種に変えた。妻は四六時中、仕事のことばかりで家庭を顧みないし、俺がそのことを言うといつも収入のことをチクリと言われる。
離婚する気はないけど、まだ小学校低学年の子供にとってこんな暮らしでいいのかな、という疑問はあるよ。俺の母は専業主婦で、自分が育った環境とは大違いだし。まあ大きな不満はないけど、満たされなさはあるよね。パッと憂さ晴らししたいけど、そんな都合よく共犯者的にサッカーができる女性、なかなかいないよね(笑)」

二次会終わりの後、店を出ると、45歳男性のDさんは38歳人妻女性の手をグッと握り「ホテルでもいこっか!」と誘っていた。女性は「やだ〜!」と笑いながら足早に帰って行った。Cさんはそれを横目に寂しげに帰って行った。
既婚者パーティの夜の部では、お互い気が合いさえすれば、その日の晩にそのままホテルへ…というケースもあるのかもしれない。

女性はときめきを求め、男性は寂しさや虚しさ、少しのいやらしさを胸に抱えて、日夜繰り広げられる既婚者パーティ。
みんな何かを抱えている。その抱えた何かが少しでも軽くなりますようにと今日も都内各所のどこかに寄り集まっている。

取材・撮影・文/河合桃子