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女子サッカー史上最多観客動員数となる9万1648人

近年、ヨーロッパで女子サッカーが大変な盛り上がりを見せている。

例えば2021-2022シーズンの女子チャンピオンズリーグ(以下、女子CL)準決勝のバルセロナ―ヴォルフスブルクの第2戦では、カンプ・ノウスタジアムに女子サッカー史上最多観客動員数となる9万1648人のサポーターが詰めかけた。

【現地取材】バルサ、アーセナル、チェルシー…ビッグクラブが続々と資金を投入。欧州女子サッカー「爆発的人気」の背景にあるしたたかなビジネス戦略_1
昨年4月28日に行われた女子CL準決勝のバルセロナ―ヴォルフスブルクの第2戦。電光掲示板には観客動員数「91.648」の文字が(写真/AFLO)
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さらに昨年行われた女子ユーロ(ヨーロッパ選手権)の決勝、地元イングランド対ドイツの試合では、サッカーの聖地ウェンブリースタジアムを8万7192人の観客が埋め尽くした。これは現時点で、男女を通じたユーロの歴代最多観客記録となっている。

2004年のアテネ五輪前から女子サッカーを取材し、日本での競技人気の盛衰を目の当たりにしてきた者にとって『かの地で女子サッカーが今、どんな受け入れられ方をしているのか』は、ぜひとも掘り下げてみたいテーマだった。

そんな中、格好の機会を見つけたのだ。

4月22日から5月1日にかけ、2022-2023年シーズンの女子CL準決勝が組まれた。カードはバルセロナ―チェルシーとアーセナル―ヴォルフスブルク。同大会がホーム&アウェイで争われるのは準決勝までなので、それぞれのクラブのサポーターにとって『おらが街のチーム』をホームスタジアムで応援できる最後のチャンスとなる。

となると大勢の地元観客が詰めかけるだろうから、短期間でスペイン、イングランド、ドイツでの女子サッカー人気のほどを確かめられるはずだ。とるものもとりあえず取材旅程を組んだことは言うまでもない。