〈頂き女子りりちゃん・担当ホストも逮捕〉「地獄に堕ちるときは一緒だよ?」“りりちゃん”が沼ったホストは青学卒の自称“元メンサ”会員「俺たち、女で稼ぐ極悪人」
自らを“頂き女子りりちゃん”と名乗り、男性の心をつかんでお金をひっぱろうとするマニュアルを配信サービス「note」で販売した渡辺真衣被告(25)から、彼女が詐欺でだまし取ったと知りながら現金およそ4千万円を受け取ったとして、愛知県警中署などは24日、新宿・歌舞伎町のホストクラブ「LATTE(ラテ)」従業員の田中裕志容疑者(26)と責任者の橋本一喜容疑者(34)を組織犯罪処罰法違反の疑いで逮捕した。田中容疑者は「狼谷歩(かみやあゆむ)」という名前でホストクラブに勤務しており、一部の界隈では”りりちゃんの担当ホスト”として有名だったという――。
2人のLINEには「捕まるときは俺も一緒」
「俺も共犯。真衣ちゃんが捕まるときは俺も一緒だよ」
“狼谷歩”こと田中裕志容疑者(26)は、過去に“りりちゃん”とのLINEのやり取りで、このような言葉を残していた――。
逮捕容疑は、2021年6月と2022年の5月の過去2回にわたり、渡辺真衣被告(25)が横浜市の50代男性からだまし取った金だと知りながら、歌舞伎町のホストクラブ「LATTE」にて、飲食代として現金およそ4千万円を受け取ったとしている。その“動かぬ証拠”となったのが、冒頭のLINEのやり取りだったという。

田中容疑者(ホストクラブHPより)
「田中容疑者は『狼谷歩』という源氏名でホストクラブに勤めていて、2021年3月ごろから渡辺被告に頻繁に指名される『ホストと太客』という関係にあった。2人のLINEには『捕まるときは俺も一緒』といった趣旨のメッセージが残っていたことから、渡辺被告が金をだまし取ったことをわかっていたとして、今回の逮捕に踏みきった」(社会部記者)
集英社オンラインでは、#1において渡辺被告が自らを”頂き女子りりちゃん”と名乗り、男性の心をつかんでお金をひっぱろうとするマニュアルを配信サービス「note」で作成・販売し、詐欺ほう助の疑いで逮捕されたことを報じた。さらに渡辺被告は茨城県の男性から2700万円、横浜市の50代男性に5200万円をだまし取った疑いで再逮捕されている。

ピース姿の渡辺被告(本人SNS)より)
過去に何度かりりちゃんと遊んだことがあり、自身も”ホス狂い”だというA子さんが取材に応えた。
「歩くん(田中容疑者)が在籍する『LATTE』には何度か行ったことがありますが、『敷居の高い店だな~』という印象でした。ふつうのホストクラブでは、だいたいひと晩に30万円くらい使えば、担当ホストをその日の売り上げトップにしてラストソングを歌わせてあげられます。でも、LATTEの場合だと、150万円くらいは当たり前だし、300万円くらい出さないと売り上げトップにしてあげられないんですよ」
「俺けっこう頭いいから」と賢いアピールが…
田中容疑者が勤務しているホストクラブ「LATTE」を運営する「エルコレ」は、2019年ごろから急成長した新進気鋭のホストグループ。A子さんによると、同店の客層は、りりちゃんと同じ「頂き女子」として大金を荒稼ぎする女性や、実家が太い令嬢のような子が多かったという。
「ホストもプロ意識が高い人ばかりで、女の子が求めている言葉をサラッと言ってくれる。パパ活や頂き女子としてお金を稼いでいる子って、そこいらのオジサンなら簡単にだませるくらい“頭のいい子”ばかり。そういう子たちを相手にするので、ホストのレベルも高いんですよ。だから歩くんも、りりちゃんに『逮捕されるときは一緒だよ』と言って沼らせ(自身にハマらせる)ようとしたんじゃないですかね」(同)

LATTEのエントランス(読者提供)
「歩くん」の素性について、慶應義塾大学総合政策学部在学中で、歌舞伎町の社会学を研究するライターの佐々木チワワ氏はこう語る。
「以前から、りりちゃんがTwitterなどで自分の担当として狼谷さんのことを紹介していたので、ホス狂いの間では『りりちゃんの担当ホスト』というイメージがありました。青山学院大学卒という経歴を持ち、元メンサ(高IQの人が入会できる団体)の会員らしく、頭が非常に切れる人のようです。
ホストでもこういう学歴を売りにして独特の世界観を打ちだしている人がいますが、それが売り上げに結びついていなければ、ただの痛い人です。しかし彼の場合はランカーにも名を連ねていたので、すごいと思いますね。キャラ作りと金稼ぎのためのブランディングにも長けていて、自身のSNSでは『綺麗事ばっかうるせーな。俺たち、女で稼ぐ極悪人だろ』とか、アンチを煽って注目させるのが上手い人ですね」
「歩くん」のX(旧Twitter)には、「頭の回転が速いので、何かを考える時、いつも最初の数秒ですぐに答えが出る」「バカは文章が理解できない」といったカキコミが多く見受けられる。どうやら自身の“頭のよさ”に相当な自信があったようだ。

頭のよさには自信があったという田中容疑者(本人SNSより)
そういった”自信家“な一面は、ふだんの接客態度にも表れていたようだ。歌舞伎町のホストクラブに通う女性たちは、「歩くん」の印象についてこう語る。
「最初は『歌舞伎はじめて?』とか『これまで担当いたの?』とか聞いてきて、どちらかというと落ち着いた感じの人でした。でも、『どうしてホスト始めたの?』と聞くと『歌舞伎で有名になりたいんだよね』と言ってましたね。後半になると、『俺けっこう頭いいから』と賢いアピールが始まり、そこから『絶対に指名した方がいいよ』とグイグイ来られましたが、あまり顔がタイプじゃなかったので、その後指名することはなかったです」(20代女性)
「ちょっとヤンチャそうな見た目に惹かれて指名したんですけど、物静かで、ミステリアスな雰囲気の人でした。身長は180センチくらいで、タンクトップの細マッチョって感じ。でも、自分のことはぜんぜん話さずに、『休みの日は何してるの?』とか『趣味はなに?』みたいに質問してくるばかりで、初回は情報収集に徹する慎重派なのかな?って感じでした。そのあとに周りの子に聞くと、『送り(送り指名)したらホテルに誘われた』とか言ってたので、人によって接客態度を変えるのかもしれません」(20代女性)
「りりちゃんも幸せなんじゃないのかな」
歌舞伎町のホスト界隈が”激震”に揺れた今回の事件。だが、前述のA子さんは、「歩くん」が逮捕されたことを受けて、「りりちゃんも幸せなんじゃないのかな」と言う。

頂き女子りりちゃんこと渡辺被告(本人SNSより)
「りりちゃんは歩くんに対して月に800万円以上は使ってたと思います。それこそ歩くんにゾッコンで、りりちゃんとお茶したときも『これからLATTEに行くから、ホテルに戻ってお化粧しないと〜』とうれしそうに話していたのを覚えています。
あと、りりちゃんは『頂き行為』をすることについてストレスを感じていたからか、『(頂き行為で)身を削って担当に通うことって愛だよね〜』とも話していましたね。よく裏引き(頂き行為)やパパ活してる子って、いつ自分が逮捕されるか不安だから、共依存の相手として担当ホストに『地獄に堕ちるときは一緒だよ?』と言うんです。
実際に、りりちゃんは情緒不安定なところがあり、逮捕される1ヶ月前に電話をかけてきたときには、かなりヤバイ状態でした。だからりりちゃんも、今回歩くんが逮捕されて『一人じゃない』ってうれしかったんじゃないですかね」
渡辺被告は今回の逮捕に「間違いありません」と容疑を認めているが、警察は田中容疑者ら2人の認否は明らかにしていない。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班