仕事と家庭、両方諦めたくはないけれど、どちらかを犠牲にしてしまっている——そんな悩みを抱える共働き夫婦は多いのではないだろうか。

こんな悩みへの処方箋として、7月25日に初の著書『仕事も家庭もうまくいく!共働きのすごい対話術』を出版したのは、パートナーシップの課題解決に取り組んできた、あつたゆかさん。

今回は本書の内容を一部編集して、共働きのふたりに多い「家事」「お金」「育児」の悩みを対話で解決するコツについてお送りする。

パートナーが家事を忘れてしまう

<お互い共働きで、家事に充てられる時間は変わらないのに、最近パートナーにいくら家事をお願いしても「忘れてた」と言ってやってくれないことが多いです。「こっちも仕事で忙しいのに、なんで協力してくれないんだ?」と、悲しくなります。>

担当の家事をやってもらえなかったり、頼んでいた家事を忘れられたりすると、家庭運営に支障が出てきてしまいますよね。「なんでこっちが、やり忘れまでチェックしてタスク管理しなければいけないんだろう?」とモヤモヤする気持ちもよくわかります。

そんなときは、相手に非があると決めつけず、「最近家事をやらないのは、何か理由がある?」と、まずは背景を聞いてみることが大切です。必ずしもパートナーに悪気があるとはかぎりません。相手が悪いと決めつけずに聞いてみると、「仕事が繁忙期で体力が限界で……」「そもそも苦手なタスクを依頼されてるので取りかかりづらくて……」など、相手側の事情が見えてきます。そのうえで、どんな解決策が取れるかをふたりで一緒に考えていきましょう。

また、「仕組み」で解決する方法も考えてみるのもおすすめです。共働き夫婦のユイさん・ケントさんの事例をご紹介します。妻のユイさんは、夫のケントさんにお願いしたい家事のタスクを毎朝口頭で伝えていたそうです。でもケントさんが忘れてしまうことが多く、「何度言ったらわかるの?」と、ユイさんはケントさんにいつも怒っていました。

そこで、「何か事情があるかも」と思って背景を聞いてみたところ、ケントさんはタスクを口頭で依頼されると忘れやすい性格であることが判明。それ以降はLINEやSlackなどを活用して、家事を文章で依頼するようにしたところ、忘れることが減り、ケンカも減ったそうです。

ほかにも、出産により家事や育児タスクが増えたことからホワイトボードを導入してタスク管理をしている家庭や、Slackにチャンネルを作成し、買い物などのリマインドが自動で来るようにしている家庭もあります。

ポイントは、相手に非があると決めつけずに、「自分も相手も悪くない」という「無責的思考」になって、「仕組み」で解決できないかを考えることです。ふたりにとって負担のない方法を模索してみてください。