『silent』村瀬プロデューサー「最終回直前なので言いますが…」はこちら

【本日最終回】ドラマ『silent』で川口春奈と目黒蓮の出演が1年前から決まっていた訳。村瀬プロデューサーが明かすキャスティング秘話_1
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川口春奈、目黒蓮のキャスティングを決めた妻の存在

――今回の『silent』はどのようにして企画が立ち上がったのでしょうか?

そもそもドラマの成り立ちは、大きく分けて3つあります。1つは企画があって、それに合う人を当てるパターン。2つめが役者さんが決まっていて、その方に合う企画を考えるパターン。3つめは、滅多にないのですが、会社から「〇年の〇月期空いてるけどやる?」と声をかけられるパターン。つまり役者も企画も自由に決められるパターンです。

今回の『silent』は3つ目のパターンでした。ちょうど1年前に2022年の10月期を担当してほしいと言われて。それで自分の好きなことやろうと考えた時に、大人が見るしっとりとした心の移り変わりを描いたラブストーリーにしようと決めたんです。

――それはなぜですか?

やはり『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』がFODで長年に渡って上位にランクインしているというのは大きかったですね。視聴者はラブコメではなく、純粋なラブストーリーを見たいのではないかと思ったんです。

それで、じゃあ誰がいいか、誰と誰のラブストーリーが見たいかを考えた時に川口春奈さんと目黒蓮さんが思い浮かんで、そこから今の『silent』の企画が生まれました。

――まずなぜ川口さんだったのですか?

川口さんは、とにかく今最も輝いている女優さんだと思っていました。いろんな作品で見てきていたので、芝居が上手なことはもちろん知っていたのですが、昨年の『紅白歌合戦』の司会をしている姿を見たときに、なんて華のある人なんだ!と思ったんです。

あれだけのスターが一堂に会する中で、誰にも負けない華やかなオーラを放ってました。これってすごいことだと思うんですよね。なのに、YouTubeの『はーちゃんねる』では全く飾らない姿をさらけ出していたりもする。そのギャップがとても素敵で。彼女なら、男性からも女性からも愛されるラブストーリーの主人公像が作れるんじゃないかと思ったんです。

――では目黒さんは?

目黒さんは、実は、妻の推薦でした(笑)。こんな話をするのも何なんですけど、僕、妻(多希代さん)とすごく仲が良いんですね。それで子供達を寝かしつけた後で、僕がお酒を飲みながら飲まない妻に話を聞いてもらう“スナック多希代”をよく開いてもらっているんです(笑)。
妻はもともと『14才の母』や『バンビ〜ノ!』のアシスタントプロデューサーをやっていたというのもあって、今でもかなりドラマを見ていますし、企画の話をすることもあるんです。

そんな妻がある日、「目黒蓮さん、すごくいいと思う」と言ってきたんですね。それまで僕は彼のことを知ってはいたけど、正直そんなに意識していませんでした。妻はそれまでにも何人もの若手俳優・女優を僕に薦めてくれていて、それでキャスティングしたら後に大スターになった、みたいな人もたくさんいて。
なので、目黒さんのことを注意して見るようにしたんです。

そうしたら、例えばSnow Manで出ているバラエティなんかを見ていても「ただそこにいるだけでカッコイイ!」と思わせるような異彩を放っていて。とにかく、やばいなこの人、めちゃめちゃかっこいいなと思ったんです。それで、川口さんと目黒くんとのラブストーリーが見たいなと思いました。

――目黒さんといえば「声がいい」と評価されることも多いのに対し、今回演じている想は役柄的に言葉数が少ない印象です。

まず僕が彼を見た時に「黙って立っているだけで、かっこいい」と思ったからというのが大きいです。ただ佇んでいるだけで、圧倒的な存在だなと。それに初めてバラエティで見た時にあまりしゃべらないのに、しゃべるとちょっとおバカな感じもあったりして、笑ったときのくしゃっとした笑顔がかわいらしいと思いました。

だから、僕は言葉が少なくとも目黒さんなら成立すると思っていた。同じように脚本の生方美久さんも「目黒さんは声がいい」と思っていたようなんですね。それで「8年間会えずにいた恋人がいて、その声が好きだった」という設定を考えてきたんです。僕のイメージと生方さんのイメージが合わさって『silent』の世界観ができあがっていきました。