今回お話を聞いたのは、サラリーマンとして教育系の企業に勤める傍ら、競馬予想家としても活動する立川優馬氏。イメージが結びつかない「二つの顔」を持ち合わせることになった経緯とは、何だったのだろう?
――そもそも、なぜ競馬予想家になったのですか?
きっかけは、前職のつながりによるものです。競馬関連の仕事を請け負うことがあり、縁あって競馬雑誌のコンテンツの一つとしてレース展開の予想記事を書いていました。
その時点では知り合いの手伝いくらいの感覚だったのですが、思った以上に評判がよく、雑誌の付随サービスであるレース予想のネットプリント販売がかなり売れたんです。それを受けて「これはビジネスとして、自分でマネタイズしたいな」と考えたのが副業の始まりです。
ちなみに、現在の本業は競馬とは全く関係のない、教育関係の仕事をしています。ごく普通の会社員として働いていますよ。
副業、年1000万円! 普通の会社員がやっているビジネスの内情
副業をしている人の約半数は、副収入が月に3万円以下という調査結果がある。副業で満足のいく収入を得るのは、なかなか難しいことだと言えるだろう。そんな中、副業で大きく稼いでいる人は、いったい何をどうやっているのだろう? 競馬予想家で月100万円(年1000万円以上)の副業収益をあげている“普通の会社員”に、その極意を聞いた。
副業を始めたきっかけ
副業だけで、手取り月100万円
――いきなりお金の話ですみません! ぶっちゃけ、副業でどれくらい収益があるんですか?
オンラインサロンには現在約300名の登録者がいて、その収入から手数料や経費などを引いた額を、共同事業者と折半しています。そのほかにnoteでの収入や、外部での原稿執筆などを含めると、副業の手取りは毎月約100万円です。

立川優馬氏が運営するオンラインサロン。会費は1人4,980円だ。(立川優馬氏提供)
――100万円?! それは、本業抜きで、ですよね?
はい。もちろん、この副収入を維持するためには、活発な活動や日々の継続的な運営が欠かせませんよ。あと、やはり戦略は必要だと思います。
成功戦略1.他と一線を画するキャラクター
――やはり戦略あっての月100万円なのですね! その戦略を教えてください。
戦略は4つあります。まずは競馬ファンに対して、常に「誠実」であることを心掛けたことです。
私のサロンでは入会時に入会理由を記入いただいているのですが、「競馬に勝ちたい」よりも「立川優馬の人柄に惹かれた」という理由が多いんです。オンラインサロンには怪しいイメージをもっている方が多いので、それを払拭できるようファンの方とコミュニケーションを図りました。
結果的にそれが「立川優馬」のキャラクターとなりました。特に徹底したのは次の3つです。
1.馬券や予想購入を煽るような発言をしない
2.全ての対応を丁寧に、謙虚にする
3.わかりやすく言語化し、ロジカルな解説をする
――たしかに、ファンを集めるにはキャラは重要そうですけど、なぜこの3つを?
実は丁寧で謙虚な予想家は、この界隈では珍しい部類なんですよ。やはり競馬はギャンブルの側面が強いですから、荒っぽい言葉が飛び交うことが当たり前の世界。
その中でどんなときでも紳士的な対応をする「立川優馬」というキャラクターが、多くの競馬ファンに受け入れていただけだのだと思います。
具体的には、予想が当たったときも感情を爆発させることなく、冷静にレースを振り返り、常にフラットな感情で競馬に向き合うことや、SNSで厳しい指摘を受けたとしても、耳を傾けて謙虚に対応すること、などです。
――なるほど。「その業界でちょっと異色な人」になることにしたんですね。
結果的にそうなったというのが近いでしょうか。
あとは、3の言語化、ロジカルな解説というのも重要です。これも私の大きな強みだと思います。
私は「レース質マトリックス」という理論を提唱しています。これは、内容自体は特別新しい競馬理論ではありません。これまでたくさんの人が経験を積んで自然に身につけてきた競馬のセオリーを、誰よりも分かりやすく言語化し、解説しているだけです。
競馬の予想家は私じゃなくともたくさんいます。多くの予想家の中で、「この人を信じて買ってみようかな」と思ってもらえるかどうかが重要だと思うんですよね。
つまり、新しいことかどうかよりも、「情報の羅列」をファンやフォロワーにとって「有益な知識」にまとめ直して伝えることができるかということ。オンラインサロンはお金を払って学びにきてくれるのですから、なおさらです。

立川氏の著書『レース質マトリックス 競馬は全て二択である』(ガイドワークス刊)(立川優馬氏提供)
ーーそれは立川さんの本業が生きているところでもありますね。
そうかもしれません。でも、そのジャンルに詳しい、あるいは独自の理論をもっている人であれば、本職がどうとかはあまり関係ないと思いますよ。
成功戦略2.ルーティンをつくり、続けること
――その他の戦略も教えてください!
運営については、最初にTwitterを始めたのですが、1日の中で呟く時間と回数を決めて、毎日安定した情報を提供できるようにしました。これは今もやっていることで、Twitterは1日2回、noteの更新は金・土の週2回。noteでは週末レースの予想を、Twitterでは前週の振り返りや当週のレースのチェックポイントをつぶやいています。あとはファンとの交流も少し。
オンラインサロンでは、毎週火・金にZOOMウェビナーを活用して配信を行っていますし、2週間に一度、週末にオンライン競馬観戦会や会場を借りたリアル競馬観戦会などで盛り上がっています。
ルーティンとして毎日、毎週やることは簡単ではないですけれど、「更新を楽しみにしてくれる」人を増やすには、やはり決まった時間にコンテンツが上がるというのはすごく大事です。最初から有名人だったわけではありませんから、ファンの方が訪問しようと思える機会を積極的に提供していくことを心掛けました。
成功戦略3.断定形で話せること
――サロンでは毎週zoomウェビナーで配信をしたり、予想家養成などをしたりしているとのことですが、そこでのポイントはなんでしょう?
ウェビナーなどは定期的に行うことはもちろん、内容も大事です。特に重要なポイントの一つだと考えているのが「話し方」です。私がファンの方へ自分の理論を話すときに重要視しているのは「断定形で話すこと」です。
「〜だと思う」では、誰も私の話を信頼してくれません。「〜だ」と話すことで、信頼を得られるし、説得力も増します。そして、それはその分の責任を負うということでもあります。そうした覚悟をもった話し方ができるよう、配信の前には必ず話すテーマの原稿を作成します。この原稿作成のほうに配信以上に時間を掛けていますね。

成功戦略4.人脈や人との交流を作り出すこと
――とはいえ、立川さんのようにもともと人脈がある場合とそうでない場合では、スタートラインが違いますよね……。
今の時代、SNSひとつで人脈を作れる可能性は十分にあると思います。私もオンラインサロンを開設するまで事業が発展したのはTwitterやnoteの存在が大きいです。
あとは自分がどうやるか。企画力や自己プロデュース力が物を言います。
オンラインサロンを開設した後は、そのコミュニティを大切にすることも重要です。この人や人脈を大切にすることが、戦略の4つ目。コミュニティとして成熟すると、そのなかで中心となって活動してくれるファンの方もいらっしゃるんですよ。
例えばLINEのオープンチャット機能を利用したコミュニティがファン主体でできたり、『こういうシステムがあるといいな』という話を配信で何気なくすると、プロのプログラマーの方がつくってくださったり。
SNSだけの交流よりも強固な関係軸になって、いろんなことができるのはオンラインサロンの大きなメリットであり、魅力です。副収入だけではない、そういう楽しさもありますよ。

立川氏がサロンのメンバーに配っているノベルティのステッカー。(立川優馬氏提供)
オンラインサロンのプラットフォームDMM.comによれば、「人気サロンの共通点は、オーナーが会員とともに活動を積み重ね、他のサービスでは体験できないような一体感や共創価値を生み出しているということ」なのだそう。
オンラインサロンの運営自体は決してラクなものでないが、立川氏の言う4つの戦略を押さえることができれば、そのジャンルの人気オーナーとして大きな副収入が得られるかも?しれない。
参考
・DMMオンラインサロン「DMMオンラインサロン、 流通総額・プラットフォーム会員数・利用者満足度において1位を獲得」
https://dmm-corp.com/press/service/997/
・マイナビ「副業の平均月収は「5万9,782円」。希望と実態のギャップは「7万2,764円」で半分に届かず」
https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/careertrend/05/
取材・文/マサキヨウコ
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