容疑者と思われる男は捜査網が狭まったことに悲観し自殺
男は事件から17日後の昨年12月16日、現場から約9キロ南の神奈川県相模原市内の実家近くの別宅で首を吊った状態で死んでいるのを母親が見つけていた。41歳だった。警視庁は家宅捜索などで遺留品などを分析し、被疑者死亡で書類送検する方針だ。
宮台さん襲撃事件は日没前の午後4時過ぎに発生したが目撃証言に乏しく、警視庁は現場から立ち去る男の防犯カメラ映像を、事件から2週間後に公開した。
男はオレンジ色のニット帽に白い不織布マスクを装着、上下黒色のジャージに黒と灰色のバックパックを背負い、身長180〜190センチと大柄だった。特徴的な動画と写真の効果で、公開捜査当日から多数の情報が寄せられたが検挙には至らず、今年1月27日には川沿いを自転車に乗って走る男の映像を新たに公開した。
公開映像に写っていた自転車にも特徴があり、警視庁が購入記録を照合したところ、同30日になってこの男が浮上。すでに自殺から1か月半が経過していたことがわかった。家宅捜索では宮台さんを襲った凶器とみられるオノなども見つかった。
容疑者とみられる男の母親は公開捜査が始まると同時に息子は意気消沈して食欲もなくなったと話しており、捜査網が狭まったことを自覚した男が悲観して自殺したとみられる。
宮台さんはこの男とは面識がないとしており、男の自殺により動機の追及は極めて難しくなった。
近所の人によると、男は水道工事業を営む父と介護関係の仕事に就いていた母親と3人暮らし。数年前からは実家と、すぐ近くに両親が購入した別宅とを頻繁に行き来していたが、仕事はせずに引きこもりがちだったという。
近くに住む女性はこう話す。