日本ハムファイターズの功績を忘れてはならない
――あと最近、アメリカの若い選手が二刀流を目指すことを公言したり、また球団もドラフトで二刀流の選手を獲得するなどしていますが、やはり大谷選手の影響力は感じますか。
もちろんです。大谷の存在によりメジャーの各球団の二刀流に対する評価は確実に変化しました。ただ、大谷と同じレベルで二刀流ができる選手が出現するのかといったら、そこは疑わしいですよね。過去100年間出現しなかった選手ですし、おそらく今後100年は出てこないと思います。
また選手育成のシステムというか、もし彼が高校卒業後に当時本人が希望していたようにアメリカに渡っていたら、絶対に二刀流にはならなかったはずです。
――マイナーで投打どちらか選択させられてしまった可能性が高いと。
そうですね。そういう意味で日本ハムファイターズの功績は大きいと思います。ファイターズが二刀流でプレーすることを容認したからこそ、現在の大谷がいるし、偉業を達成することができたと思います。これは断言できます。
――メジャー120年の歴史を塗り替えた大谷選手ですが、フレッチャーさんは、彼の未来をどのように見ていますか。
大谷が一番、希望していることはエンゼルスで勝つこと。彼ひとりの力では実現することは難しいのですが、チーム一丸となりぜひ悲願であるワールドシリーズ制覇をしてもらいたい。個人的な成績としては、もうすでに2年連続して偉業を成し遂げています。
ほとんどの人が来年も同様の結果を出すと当たり前のように捉えてしまっている哀しさはあるのですが、3度実現したらさらなる偉業、4度目ならば言葉に表すことのできないとんでもないことだということを皆さんには忘れてもらいたくないですね。
――まずはワールドシリーズ制覇ですね。
ええ。30球団ありますから至難の業だと思いますが、大谷のキャリアをより華やかなものにしてもらいたい。私自身、エンゼルスのシャンパンファイトを取材したいですからね。あれは見ているだけでも、本当に楽しいし幸せな気分になれるんですよ(笑)
取材・構成/石塚隆 撮影/村上庄吾 写真/AFLO
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