サマソニを通して感じた「2022年、海外と日本のコロナに対する意識の差」

2022年夏フェスは完全復活できたのか? サマーソニック運営に聞いた、コロナ禍のフェス裏事情_3
ヘッドライナーを務めたイギリスのバンドThe 1975。©SUMMER SONIC All Copyrights Reserved.

――サマソニ開催にあたり、海外フェスの動向は意識されましたか?

かなり意識しましたね。欧米各国のフェスはもはやマスク着用義務がないどころか、完全に「コロナ禍は過去のもの」という扱いになっています。サマソニとしても、理想的には海外フェスの状況に近づけたいという思いがありました。とはいえ、日本で開催する以上は国内のルールに則らなければならないので、その中で最大限工夫を行うというかたちとなりました。

――サマソニに出演した海外アーティストは、日本のコロナ対策に驚いていましたか?

そうですね。彼らはすでにマスクなしで海外のフェスに出演していますし「マスクなしで当然」という意識でいるので、「日本ではまだマスクをしないといけないし、お客さんもマスクをしている状態です」という説明は行いました。ただ、それに対してはみんな受け入れてくれたのでよかったと思います。

――「日本っぽいね」みたいなリアクションですか?(笑)

まあ、そういう感じですね(笑)。ただ、結果的には「限定された状況だとしても盛り上がってくれる日本のオーディエンス、すごくいいよね」といった言葉を多くのアーティストからもらうことができました。

――アーティストのブッキングについて、コロナの影響は?

今年に関しては、コロナの影響は特に感じませんでした。すでに海外フェスが動いているのが大きいと思います。ブッキング時点では特に困ることはありませんでしたね。入国ビザを取ったり、入国前のPCR検査を手配したり、ワクチン接種状況の確認をしたりなど、いつもはやらなくてもいい作業は当然発生するのですが、それ以外は通常のサマソニに近い感じで準備ができました。