ホメ出しは筋トレのようなもの

澤田さんは、ホメ出しは「筋トレのようなもの」だと考えている。

「筋トレも、最初はしんどいけれど続けていくと慣れてくるし、着実に筋肉もついていきますよね。ホメ出しも同じで、最初は自分のなかで違和感があるかもしれませんが、習慣化されていくことで、やがて『人のいいところを発見してホメる』が、自然なことになっていきます。

普通に生活していると、人はどうしても相手への印象やキャラクターを決めつけがちだし、相手のわずかな一面だけを見て判断し、ダメ出しをしたりする。でも、そのほうが脳への負荷や刺激が少ないし、いちいち多くの情報を処理しなくていいので、脳は疲れなくて済む。ある意味、当たり前のことともいえます。

一方で、惚れレンズをつけて人と話したり、相手へのこれまでの印象を捨てて接したりするホメ出しの作業は普通はやらないことですから、脳にとっては大変。いわば『脳にあらがう』行為です。

でも、人間はおもしろいもので『ホメ出しをする』という意識で毎日過ごしていると、やがてそれが普通のこととしてできるようになっていくんです。一日5分でも10分でも、短時間からでいいので、習慣化していくことがポイントです。何より、ホメ出しはたくさんの発見や気づきにつながるので、とても楽しいですよ」