「簗氏のクビを切らなければ切らないだけ、ダメージが蓄積されていく」
地元では、こうした事情を理解していなかったのが、高市総理だと囁かれているのだ。そして、簗氏の問題を巡っては、簗氏が予算の配分が決まる前の2月中旬に、佐々木紀国交副大臣(当時)らに問い合わせをしていたことも発覚した。
「県とか市といった自治体は過不足なく、絶対これで大丈夫って見積もった上で、予算の要望を出すものです。それを(国交省に)蹴られるっていうのは、もう脅しに近い話でしょう。役人の発想とは思えない部分もある。
全国で減額している事例を調査して、疑惑を払拭すべきですが、それもやらないと高市総理は言っている。支持率に響かなければ、更迭は必要ないという考えかもしれないが、簗氏のクビを切らなければ切らないだけ、ダメージが蓄積されていくでしょう。
木原稔官房長官も、安倍晋三政権時代には首相補佐官として日米交渉の地ならしを仕切るなど、評価が高かったが、今は高市総理に逆らえず、政権の危機管理役を担う官房長官としては力不足な面も否めない」(自民重鎮)
党内で疑問視されている「高市人事」は、簗氏の問題だけではない。自民党の西田昌司参院議員が10月8日の自民党の参院総会で、石井準一前参院幹事長の“更迭劇”について「なぜ解任したのか」と、松山政司参院会長に説明を求めたのだ。
「参院幹事長人事は、参院会長に決定権がありますが、背景に官邸の意向があったと囁かれています。高市総理は、予算成立の遅れた責任が、石井氏のしきりにあったと一方的に考えていたフシがあったとされる。実際には、未だ少数与党が続く参院の国会運営において、野党の顔も立てつつ、予算成立にこぎつけたのは、野党人脈が豊富な石井氏の貢献も少なからずあったわけですが……。
簗氏の処遇も含めて、不可解な“高市人事”の連続に、『党内の一体感を損なう。高市政権の“終わりの始まり”にならないといいが……』という声も水面下で出始めています」(自民党参院ベテラン議員)
自民党内で、にわかに高まる危機感とは裏腹に、JNNが10月3~4日に行った世論調査では、高市内閣の支持率は63%と高水準を維持している。果たして、この数字が、簗氏の問題や、今後の国会審議でどのように推移していくだろうか――。
取材・文/河野嘉誠 集英社オンライン編集部ニュース班














