「候補の乱立は山中さんには悪い材料にはならない」

「はじめに、このたびは本当に申し訳ございませんでした。反省を言葉だけで表すのではなく、自身の行動を改めます。そして、その姿勢を示し続けることをお約束いたします」

10月4日の告示日、山中氏は京急上大岡駅前での第一声演説を謝罪から始めた。約20人の報道陣が囲んだが、聞き入る聴衆はそれよりも少ない。

「山中氏は街宣日程を事前に告知せず、いつどこで話をするのか有権者は分からない“ステルス選挙”を展開しているからです」と地元記者は話す。

山中氏は昨年の2回目の市長選で当選した前後に示した市政目標を公約としているので、それを改めて説明する必要がない。そして知名度も抜群だ。

パワハラに抗議する人が現れるかもしれない街宣の事前告知をする必要がないと考えている可能性がある。

10月4日、チラシを配る山中竹春氏 撮影/集英社オンライン
10月4日、チラシを配る山中竹春氏 撮影/集英社オンライン
すべての画像を見る

「前回市長選で山中氏は66万票を取りました。今回どの程度まで減るか分かりませんが、候補の乱立は山中さんには悪い材料にはならない」と、市議の一人は山中氏が再選する可能性があると指摘する。

その山中氏が謝罪に続き最初に挙げた実績が、カジノ誘致を止めたことだ。山中氏が最初に当選した2021年の市長選は、当時首相でIR導入を進めていた菅義偉氏が推した小此木八郎・元国家公安委員長と、IR誘致すると表明していた市長の林文子氏とに自民系が分裂。

一方、立憲民主党や共産党は横浜市立大教授を務めた山中氏をIR反対の野党統一候補とした。菅氏と対立していた“ハマのドン”、藤木幸夫・横浜港運協会元会長(96)ら港湾業界も加勢し、山中氏は圧勝。そして、横浜市がIR誘致計画を撤回した経緯がある。