地元関係者は「簗さんをまともに手伝っている県議は一人しかいなかった」

四面楚歌の簗氏を、なぜ高市総理は守るのだろうか?

高市総理は今年2月の衆院選期間中、栃木県内では唯一、簗氏の応援だけに入り、親密な関係ぶりを明かしていた。

簗農水相と高市総理(簗氏公式Instagramより)
簗農水相と高市総理(簗氏公式Instagramより)

「やなちゃんはずっとずっと私がわからないこと、特に農政についてわからないこと、もういつもいつもアドバイスをもらってきた。(中略)去年(2025年)の総裁選挙は栃木県から茂木外務大臣が出馬しておられましたから、簗さんは茂木陣営に入って頑張ると。

でも、農政でどうしてもこのファクトがわかんないとか、ちょっとこういう考え方を私は持ってんだけど、どう思う?っていうのは、メールや電話でやなさんにいっぱい教えてもらいながら戦い抜きました。私が政調会長をやってた(2021年)時に、まず農林部会長になってもらった」

地元関係者はこう見ている。

「簗氏は、高市さんへの“媚び”はうまい。高市さんもそういう人を重用するんでしょう。彼が過去に、性的少数者(LGBT)の理解増進法案を議論する自民党会合で、『生物学的に自然に備わっている種の保存にあらがってやっている感じだ』と発言し、批判を浴びたことがありましたが、あれだって、党内保守派として知られる高市さんにアピールする意味があったんじゃないか。

簗氏は“農水のプロ”のような形で売っているけど、あれだって、“農水族のドン”といわれた西川公也元農水相が引退した後、そのポジショニングを見つけただけ。そういうところは頭がいい。地元では、『東京出身で、どこまで農家を分かっているのか』と言われていますが……」

そもそも前回衆院選で、簗氏の選挙区である栃木3区は保守分裂選挙になっており、無所属で松下政経塾出身の新人・渡邊真太朗衆院議員(33)が4508票差で勝利し、簗氏は比例復活だった。

渡邊真太朗衆院議員と高市総理(渡邊真太朗公式Instagramより)
渡邊真太朗衆院議員と高市総理(渡邊真太朗公式Instagramより)

「あの高市旋風の中での比例復活ですからね。簗氏がいかに人望がないか、ですよ。今回の件も地元では、『やっと化けの皮がはがれたな』という声が多いです。秘書の入れ替わりが激しいことは、永田町では有名です。

しかも、支援者も乏しいから政治資金パーティーすらもロクに開催できない。ほとんど派閥からのお金だけで、事務所を運営していたんじゃないか? 全然地元のために努力しないし、高圧的。だから、脅しのような発言が出てくるのでしょう」(自民党関係者)

簗氏は、地元首長の要望もまともにきかず、霞が関との橋渡し役は、県内の別の選挙区の自民重鎮が代わりにやる始末だったという。

「大田原市長選がそうでしたが、気に食わない首長に対して、独自の対立候補を立てたりもする。2024年の衆院選の時から、建設業界を含めて地元の保守系の本音は、(対立候補の)渡邊さん支援なんですね。

簗さんをまともに手伝っている県議は一人しかいなかったんだから……(笑)。自民党の中でも、いずれ簗さんから、渡邊さんに移行するというのは、既定路線であり、時間の問題とされてきました」(同前)