派遣会社からスキマバイトに切り替えたら「半分がドタキャン」した日も

スキマバイトによる人材確保と安全性の両立が課題となるなか、スキマバイトを受け入れている施設側はどう対応しているのか。

札幌市を中心にデイサービスなど複数の事業所を運営するHTC株式会社は、昨年春からタイミーで人材を募集している。求人の条件は、介護の入門資格とされる介護職員初任者研修を修了していること。スキマバイトに働いてもらう日は、平均して1介護施設あたり5人ほどが施設スタッフ、1人がスキマバイト、といった人数構成になり、これまでにのべ約700人に働いてもらったという。

同社がタイミーを使うようになったきっかけは、派遣会社を通じた人材派遣では人件費が高額になることだった。

派遣会社を通じて看護師を派遣してもらうと、必ずしも看護師でなくても対応可能な業務をしてもらう場合でも、1時間あたり2000円ほどを派遣会社に支払っていた。しかし、タイミーでは、取材当時(2026年9月)は時給1090円[小谷1.1]で募集しており、3割のサービス利用料などを加えても派遣会社より安く済むという。

ただ、スキマバイトを利用し始めると、派遣会社ではほとんどなかった問題にも直面した。それが急なキャンセル、「ドタキャン」だ。

「派遣会社は、求人を出せばほぼマッチングし、ドタキャンもほとんどありませんでした。でもスキマバイトを使い始めた当初は、マッチング率が6割くらいだったうえ、勤務が決まっていた人の半分がキャンセルした日もあった、ということもあったんです。急遽スタッフが休日返上で出勤したり、ドタキャンした人の分も施設の管理者が働いて寝不足になったりといった問題が生じました」(HTCの臼井宏太郎代表取締役)

現在は「スキマバイトを通じた他のバイトでドタキャン率が5%を超える候補者は受け入れない」「求人票には『コミュニケーション好きな方』を求めている旨を書き、当日もスタッフが丁寧に業務内容を説明する」など、スキマバイトをめぐる問題が生じないよう工夫。その結果、スキマバイトを経験した人の中から約10人を正社員やパートなどとして採用できたという。

(写真/PhotoAC)
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臼井氏はこう語る。

「施設によっては『スタッフのほとんどがスキマバイト』というところもあり、その分ドタキャン、コミュニケーション不足などの問題が生じやすい話も聞く。ただ、スキマバイトには、まずは数日働いて職場の雰囲気を知ってから就職できるというメリットもあり、介護業界の人手不足解消につながる」

年々深刻になる介護現場の人手不足。スキマバイト活用はその解決の一助となりそうだが、トラブルの防止や安全の確保は最優先。受け入れる施設側の工夫ももちろんのこと、国による処遇改善など抜本的な対策も引き続き求められそうだ。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班