米政府の公式文書に書き込まれた文言
ホワイトハウスでの習氏の歓迎式典。トランプ氏は、米中が共通の利益を追い求め、第2次大戦では「同盟国にさえなった」と語った。その象徴として挙げたのが、フライング・タイガース(飛虎隊)だ。旧日本軍と戦う中国を支援するため、米国人パイロットが加わった航空部隊である。
習氏も、両国が「ファシストの侵略者」と戦った歴史に触れた。
この言葉は、式典の場限りのものでは終わらなかった。ホワイトハウスが会談後に公表した成果文書(ファクトシート)には、「両首脳は、米国と中国が第2次大戦で同盟国であり、勝利のために肩を並べて戦ったことを振り返った」と明記された。歓迎のあいさつが、米政府の公式文書に書き込まれたことになる。
対日戦の記憶を、現在の米中の結び付きを語る材料に
ただ、この歴史には複雑な背景がある。フライング・タイガースが支えた中国政府は、蔣介石率いる中華民国だった。現在の中華人民共和国が成立したのは戦後の1949年で、内戦に敗れた国民党政権は台湾に移った。
つまり米政府の文書にある「中国」は、歴史的には当時の中華民国を指す。トランプ政権は、結果として、現在の中国と台湾の対立につながる複雑な歴史には触れないまま、習氏との「共闘」の歴史が文書に残された。
日本にとってより重いのは、米中両首脳が対日戦の記憶を、現在の両国の結び付きを語る材料にしたことだ。その夜の晩餐会で、習氏の言葉はさらに具体的になった。













