地図上の変更は、何百万人もの人生を左右する

米国案は、戦争で動いた前線を州境に沿って引き直し、双方が受け入れられる最終線を探る試みだ。ただ、そこに暮らす住民にとって、地図上の変更は、何百万人もの人生を左右する。米国、ロシア、ウクライナの交渉だけで国境線を引いてよいのかという問題も残る。

南部を取り戻す代わりに東部を手放すのか。ドンバスを得る代わりにクリミアへの陸路を失うのか。米国が示したとされる交換案は、両国に戦争終結への出口を用意すると同時に、双方が最も手放したくないものを差し出すよう迫っている。  

それは和平に向けた現実的な妥協なのか。それとも、次の戦争までの境界線を引くだけなのか。米国が描いた「戦後国境」を巡り、ロシアとウクライナは国家の将来を懸けた選択を迫られる。

文/集英社オンライン編集部