高市総理「人事権は私にはない」

石井氏の更迭劇を受け、参院自民党内は混乱の渦中にあるという。

「昨年の参院幹事長人事を巡り、石井氏と確執を抱えていた関口昌一参院議長が、青木氏と相談した上で、松山氏に“青木参院幹事長”を進言したという話が出回っています。それを、高市総理の意向を忖度した松山氏が採用したという見方です。

いずれにせよ、参院自民党内に疑心暗鬼が広がり、バラバラになるような今の状況は、自民党にとって決して好ましくありません。与野党の調整などは、石井氏が野党人脈を駆使し、貢献していた面もある。

“石井外し”により、今後、国会運営において様々な影響が出てくるのではないかと不安視する声もあります。すでに石井氏に近い一部の議員が、国会の役職を引き受けないなどの動きも出始めています」(同前) 

石井準一氏(石井準一公式Xより)
石井準一氏(石井準一公式Xより)

その一方で、こんな声もある。

「松山会長とすれば、石井氏を更迭したとしても、同じ参院宏池会出身の磯崎仁彦国対委員長とともに、官邸と連携して、スムーズにまわしていけるという自信もあったのではないか。

青木氏も、石井氏らの参院自民党クラブの結成に否定的だったとされ、本音では石井氏と距離があったという見方もあります。石井氏はもともと歯に衣着せぬ物言いをするタイプですし、参院で存在感を示していた半面、敵が多かった面も否めない」(自民党参院元職)

国対経験の長い自民重鎮はこう語る。

「議会は、政府から一定の独立をしていないといけないわけです。安倍政権時代であっても、きちんとした国会審議をやるために、国対が菅義偉官房長官など官邸とやり合うことも少なくなかった。そして官邸も結局は、国対に譲ってくれた。また、参院国対も、いざとなれば、すべてをなげうって、衆院側の国対に協力してくれたり……。

高市総理の意向がどうであれ、国会軽視といわれるようなやり方は慎むべきで、今後の国会運営が注目されます」

国会議事堂(PhotoAC)
国会議事堂(PhotoAC)
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高市総理は参院自民党の執行部人事について「人事権は私にはなく、参院会長が決めたと承知している」と語った。しかし、総理の意向を背景として、参院自民党が揺れているのは間違いない。野党が反対している消費減税法案の審議など、難しい局面が続く中で、今回の人事が少なからず影響を及ぼしそうだ。

取材・文/河野嘉誠 集英社オンライン編集部ニュース班