世代を超えて残ったディスクユニオンの“顔”

「子供の頃に初めて行き、それからお年玉を握りしめて年に一度だけ連れて行ってもらえる夢の世界で買い物してきた。そんなワクワクする思い出深い袋でもあります」

CDやレコードを買い、あの袋を提げて街を歩く。中身はもちろん大切だが、袋まで含めて「音楽を買った」という体験だった人もいるのだろう。

実際、ディスクユニオンは以前から、ショッパーのデザインそのものを生かしたエコバッグを商品化している。2020年にレコードショッパー型エコバッグを発売し、2025年にはCD・7インチ向けの小型サイズも追加。軽く耐水性のある素材を使用し、繰り返し使える商品として販売している。

ディスクユニオンのエコバッグ(ディスクユニオン公式Xより)
ディスクユニオンのエコバッグ(ディスクユニオン公式Xより)
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さらに現在も、レコードやCDを多数持ち運べる大容量トートバッグなどを展開している。

つまり、「袋を有料にする」のと同時に、「袋を繰り返し使う」という選択肢も用意されているわけだ。

有料化に不満を感じる人がいるのも不思議ではない。長く無料だったサービスが変われば、戸惑う人もいる。

ただ、その怒りを目の前の店員にぶつける必要があるのか。

かつて販売員だった鈴木さんは、「有料が嫌な奴はそもそもエコバッグ使って工夫すればいい。逆にあんな強い袋なんですから一回20円で買えば何度でも使える」という。

30年前、お年玉を握りしめて店へ向かった少年にとって、「ディスクユニオンの袋」は買い物のおまけではなかった。

レコードやCDを選び、会計を済ませ、その袋を提げて家へ帰るまでがひとつの思い出だった。

原材料費も、店のあり方も、音楽の聴き方も変わっていく。

それでも、昔と同じデザインの袋を手にしたとき、一瞬であのころに戻れる人がいる。

「たかがレジ袋」にこれほど声が上がること自体、その袋が長い年月をかけて、音楽ファンの記憶の一部になっていた証拠なのかもしれない。

取材・文/集英社オンライン編集部