増える妨害運転…“踏切事件”で逮捕されたJAF職員は往来危険罪で起訴

近隣との目立ったトラブルもなく、「物静かな子だった」という藤村容疑者。一方、車の運転をめぐるトラブルが重大事件に発展したケースは、今回だけではない。

8月18日には、さいたま市岩槻区の東武野田線の踏切で、前を走っていた車が踏切を通過した直後、出口付近で停車。後続の50代男性の車が踏切内に取り残され、列車と衝突する事故が起きた。男性は衝突前に車外へ逃れ、けがはなかった。

さいたま市“踏切事件”直後の現場(写真/近隣住民提供)
さいたま市“踏切事件”直後の現場(写真/近隣住民提供)

埼玉県警は翌19日、前方の車を運転していたJAF職員の加藤研一容疑者(52)を殺人未遂容疑で逮捕した。加藤容疑者は殺意を否認。その後、さいたま地検は9月8日、殺人未遂ではなく往来危険罪で加藤容疑者を起訴した。

「加藤被告は逮捕後、『車間距離が近かったので注意するため停車させた』という趣旨の説明をしていました。今回の藤村容疑者とAさんにも、それまで面識はなかったとされています。いずれも車の走行中に起きたトラブルが、命にかかわりかねない事態にまで発展しています」(前出・社会部記者)

いわゆる「あおり運転」をめぐっては、2020年6月に施行された改正道路交通法で「妨害運転罪」が新設された。車間距離を極端に詰める、急ブレーキをかける、執拗にクラクションを鳴らすなど、他の車の通行を妨害する目的で一定の違反を行う行為が対象となる。

法務省の「令和7年版犯罪白書」によると、2024年に妨害運転で送致された事件は146件で、前年の102件から44件増加している。

藤村容疑者は警察の調べに対し、「脅しのつもりで突っ込んだり、腕をつかんで引きずったりした」と供述し、殺意については否認しているという。それまで面識のなかったAさんを、なぜ執拗に追い続けたのか。警察は事件に至った詳しい経緯や動機について調べている。

さいたま市の踏切事故では、直後に被害者と思われる男性が心配そうに電話をしていたという(写真・近隣住民提供)
さいたま市の踏切事故では、直後に被害者と思われる男性が心配そうに電話をしていたという(写真・近隣住民提供)
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班