高校生にして悟りの境地に達していた?

当然ながら天皇陛下への祝辞は事前に用意してあったものだろうが、その場で言葉を選びながら語ったように見える発言もインテリジェンスに富みすぎており、周囲の大人たちを驚かせたことがあった。

高校生だった2020年、国勢調査のナビゲーターに起用された芦田愛菜(写真/総務省統計局)
高校生だった2020年、国勢調査のナビゲーターに起用された芦田愛菜(写真/総務省統計局)

2020年、16歳だった芦田愛菜が映画『星の子』の完成報告イベントに登場したときのこと。本作は「信じる」がひとつのテーマになっているため、「信じる」ということについて尋ねられ、独自の解釈を語ったのである。

芦田は、「その人のことを信じよう」と思うとき、実はその人自身ではなく、自分が理想とするその人の人物像に期待してしまっているのではないかと指摘。

そのうえで、「『裏切られた』『期待していたのに』と感じても、別にそれは“その人が裏切った”とかいうわけではなくて、“その人の見えなかった部分が見えただけ”」と語り、見えなかった部分も含めて「それもその人なんだ」と受け止められる、揺るがない自分がいることが「信じる」ことなのではないかという考えを明かした。

さらに、そうした揺るがない自分の軸を持つのは難しいからこそ、人は「信じる」と口にして、理想の人物像などにすがりたくなるのではないか、と続けた。

この言葉に同映画の大森立嗣監督や共演した永瀬正敏らは感嘆し、絶賛。

なんというか……もはや悟りの境地。他者への期待と「信じること」をここまで冷静に切り分ける考え方を高校生にして持っているということに、驚きを通り越して畏敬の念を抱くほどだった。