独裁者たちの奇妙な特権と莫大な富
独裁者になれば、その権力を振りかざして、民主主義ではできないような選択をすることができます。たとえば、北朝鮮の金正日は、初めてのゴルフのラウンドで5回(11回の説もあり)のホールインワンを達成し、38アンダーというスコアをたたき出したと言われます。
ほかにも、トルクメニスタンのニヤゾフは実母の誕生日を祝日としたり、シエラレオネのバレンタイン・ストラッサーはバレンタインデーとレゲエ好きが高じてボブ・マーリーの誕生日に祝賀行事をしたり、オートバイ好きのブルキナファソのトーマス・サンカラは、全員女性から成るオートバイの護衛隊を組織したりしました。
独裁者らしく豪華な生活も可能で、スハルトは150億〜350億ドル、マルコスSr.は50億〜100億ドル、ナイジェリアのサニ・アバチャは20億〜50億ドルを着服していたとされます。
独裁者になることができれば、自分にとって都合が良い選択がしやすくなることも事実です。しかし、諸行無常、権力を一手に担い、強権的な統治を続けてきた独裁もいずれ終わります。では、独裁はどのようなときに体制の危機に陥るのでしょうか。
端的に言えば、危機は、反対派をコントロールできなくなる、周囲にアメを与えられなくなる、人びとから愛されなくなる、などといったときに訪れます。では、そのような状況はどのように生じるのでしょうか。
独裁が揺らぐとき、すなわち現状の体制が変化の圧力を受けるときには、新しい体制を求める「需要」と体制側の状態を表す「供給」の問題が重要です。













