事故直前の車内映像を公開…遺族側が「窓から身を乗り出していた」に疑問
その一方、1日に提訴した両親の代理人である牧野裕貴弁護士は2日、記者会見で「コーチ(と監督)だけを処罰して直る問題ではない。組織自体を変えないといけない問題」だと指摘した。
牧野弁護士は、佐藤栄学園の理事長や校長、教頭、サッカー部幹部に加え、「無断外出が横行していた」とする寮の管理責任も問うため、寮の舎監やAさんの生活指導を担った陸上部顧問も被告にしたと説明。
その上で、「リスク・アプローチ、すなわちリスクを洗い出して管理体制を設計して、それをもとに点検や監査をするという通常の組織なら当然やっているであろう仕組みが、埼玉栄高校には全く存在していなかった」と批判した。
同時に牧野弁護士はBさんとCさんの行為についても厳しく批判した。実は調査委報告書によれば、事故前の2024年10月末にもAさん、Bさん、Cさんを含む4人が問題の車に乗っている時にも同じような横転事故が起きていた。
学校は車体の破損には気づいたものの、生徒たちの無断乗車には気づかなかったとしている。牧野弁護士によると、10月末の横転事故の際も運転していたのはBさんだったという。
「実際に横転させて危険性を身をもって知ったはずだが、今回も同じように横転をさせた。(問題の事故でBさんは)衝突のちょっと前に、横を見て余裕をかますみたいな行動を取った上で、あえてのり面にハンドルを右に切って当てに行ったみたいな、わざとやったとしか思えない行為をしている」(牧野弁護士)
さらに牧野弁護士は、事故直後、県警や捜査関係者への取材をもとに、Aさんが「窓から身を乗り出していた」と報じられたことにも大きな疑問があると話した。
会見では、後部座席から撮影された事故の瞬間の動画が公開された。そこでは、事故直前に助手席のAさんの右肩が、運転席との間の空間に出ているように見える場面がある。
「動画を見ても被害生徒は着席している状態で、とてもじゃないけど椅子(助手席)から出て(窓から)身を乗り出た状態ではない」と牧野弁護士。
後部座席のDさんは調査委に、走行中のAさんについて「助手席の窓から顔を出していた」と説明しているものの、蛇行運転が行われた際の自身の状況については「怖くて顔を上げられない状態だった」と供述したとされる。報告書からは、この二つが同じ時点の状況を指すかは明らかではない。












