ハンドルを握ってからでは遅い? 訪日外国人に求められる交通ルールの啓発とは
外国人観光客のレンタカー利用に関して、事業者側も課題を抱えている。一般社団法人全国レンタカー協会の担当者は、外国人観光客による事故増加の要因についてこう話す。
「通行区分が異なることや『とまれ』をはじめとする道路標識などの交通ルールの違い、慣れない交通環境に起因する事故が多いのではないかと考えております。また冬季には、ノーマルタイヤの車を借りて、そのまま積雪地域へ乗り入れてトラブルを起こすケースも増えています。空港周辺は雪が積もっていないため、『ノーマルタイヤで大丈夫』と勘違いしてしまうのかもしれません。
北海道や東北などの地域の営業所では、冬は基本的にスタッドレスタイヤに履き替えますが、そうではない地域では、あらかじめ申告しない限りはノーマルタイヤの車になってしまいます。
訪日外国人レンタカー利用者がハンドルを握る前、出発する前の段階までに、日本の交通ルールや安全運転に必要な適切な装備について、いかに周知をして理解してもらうかが課題です」(一般社団法人全国レンタカー協会担当者、以下同)
事故防止に向け、同協会では啓発資料の作成にも力を入れている。ホームページに「訪日外国人向けレンタカードライブ支援ツール」を掲載し、日本語のほか、英語、韓国語、中国語(繁体字)、タイ語で案内。また警察庁の外国人向けの交通安全のリーフレットも掲載している。
ほかにも、協会賛助会員の保険会社が動画を作成し、多くのレンタカー事業者で活用されているという。ただ、啓発資料を使うか使わないかはあくまでもレンタカー事業者の判断に委ねられる。
今後は、より実効性のある仕組みづくりが求められるという。
「究極的には、将来、スマホを利用して契約から借り受けまでを行い、最後に啓発動画なりを『ちゃんと見ました』ということをクリックしないと車のエンジンがかからない、といったような仕組みが必要ではないかと考えています」
訪日外国人が日本で安全に運転するためには、ハンドルを握る前から交通ルールや安全対策を伝える仕組みが重要になりそうだ。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班













