「必死に合わせても、いつか自分の本質的な部分が顔を出す」
では、婚活で本当に厄介なのは、理想が高いことなのか。それとも「この年齢なら、この程度」「この年収なら、この相手」といった世間の常識に自分を合わせすぎることなのだろうか。
中川さんは後者について、こう指摘する。
「世間の常識に過剰に合わせようとするのは良くないですね。必死に合わせても、いつか自分の本質的な部分が顔を出すし、自分を抑圧すると反動が起こりますからね。
たとえ世間の常識に合わせて結婚できたとしても、途中でボロが出てくるのではないでしょうか」
婚活をしていると、「48歳なら」「年収200万円なら」「女性なら」「男性なら」と、さまざまな“相場観”を突きつけられる。
もちろん現実的な条件を無視することはできない。それでも、結婚生活は婚活のゴールではなく、その先も長く続いていく。相手を見つけるために自分を演じ続ければ、結婚後にその無理が表面化する可能性もある。
そう考えると、綾瀬さんや小堀さんの婚活が支持されるかどうかは別として、少なくとも自分が何を望んでいるのかを隠してはいない。その潔さは、婚活において一つの強さともいえるのかもしれない。
そんな中川さん自身も、漫画のタイトル通り「年収200万円、48歳独身漫画家」として婚活に向き合ってきた。
現在は50歳。著書も出版され、以前より懐事情には少し変化があったのだろうか。
「はい、多少上がりました。多少ですが…。そういうこともありまして、秋に九州への小旅行を計画しております。福岡で三谷幸喜さんの新作舞台『アメリカン・ドリーム』を観劇し、熊本で城を見て馬刺しを食べ、微々たるものですがお金を落としてこようと思っております!」
「年収200万円」を掲げて婚活を始めた中川さんは、50歳になり、少しだけ懐にも余裕ができた。
5000万円を求める人がいれば、養ってもらいたいと願う人もいる。そして、200万円から人生を立て直していく人もいる。
婚活に万人共通の「正解」はない。ただ、「普通ならこうだ」と自分の希望まで押し殺してしまうより、一度くらいは自分が本当に望んでいるものを正直に掲げてみる――。3人の婚活から見えてくるのは、そんな身も蓋もない、しかし大切なことなのかもしれない。
取材・文/集英社オンライン編集部














