週15時間の拘束と身体に刻まれる変化

ダース 緊急での透析導入だったわけですね。

義太夫 糖尿病になったときもそうなんだけど、そもそも透析がどういうものかも、よくわかっていなかったんだよね。透析をするためのシャントを作る余裕もなかったので、最初は太もも付け根の動脈にカテーテルを入れて透析をしました。

ダース どれくらいのペースで透析をすることになったんですか。

義太夫 入院中は食事も管理されているから、週2回、1回1時間半程度でしたね。「これから一生やらなきゃいけないけれど、1時間半を週2回ならなんとかなるだろう」と、まだどこか余裕があったんです。

でも退院するときに「退院すると食生活などが普通に戻って、透析時間が増えてしまうこともあるので気をつけてくださいね」と言われました。そうしたら、本当にあっという間にその通りになって、退院後初めての外来で2時間になりました。

ダース 生活の変化が、そのまま数値に出てきますよね。

義太夫 その通り。そこから、3時間になり、最終的には「週3回、1回5時間」になりました。週に15時間、ベッドにいることになる。「これからどうなるんだろう」と不安になりましたね。

18年間、人工透析を続けている義太夫さん
18年間、人工透析を続けている義太夫さん

ダース 長年透析を続けてこられて、身体的な実感としてはいかがですか?透析をしているほうがやっぱり体はラクになりますか。

義太夫 確かに体はラクになりますね。透析の役割は、血液をきれいにすることと、余分な水分を除くことです。毎回、透析前には体重を量って、ドライウェイトという目標体重になるように水分を抜くんですが、1回に4㎏以上抜くこともあるんです。終わった後は、もう体がパサパサで……。

ダース 短い時間でそれだけの水分を抜くとなると、体への負担も大きいですよね。

義太夫 若い頃は透析後でもすぐ動けたけれど、今はもう無理です。終わってからしばらく横にならないと、体が起きられないような疲労感があります。

ダース 機械の性能はかなり上がってきていると感じますか。

義太夫 それは間違いありません。血液の浄化スピードや処理量は、確実に上がっていると思います。ただ、機械がどれだけ進化しても、体感としてのきつさは大きくは変わらないですね。それでも、「透析寿命10年」と言われていた時代を思えば、これだけ長く生き続けられているのは、技術の進歩と周囲の支えのおかげだと思います。