自分だったら「5秒」はどこをキャッチするかな

松井 この本では日記がそういうフォーマットで書かれている、とはじめに意識すると、「じゃあ自分だったらどうやって日記を書くかな」と考えるんです。

「その5秒はどこをキャッチするかな」とか「この出来事を200字にまとめるならこういうまとめ方があるのか」みたいな。ある意味ちょっとお勉強みたいな気持ちで読んでいたのですが、だんだんと読むこと自体が楽しくなっていって。

古賀 よかった。理想の読者ですよ。私、方法論としてこれを伝えていきたいというのがすごくあったんですよね。日記ってやっぱり、朝起きてから夜寝るまでみたいな、一日のあらましを書くようなイメージがありますよね。

かつて学校の宿題として出ていたので、書くのがしんどいものみたいな印象をお持ちの方が多いのかなと思っていたんです。でも、たわいのない、わざわざ書くほどでもないようなことほどおもしろい。もっと細部に目を凝らすことに着目する人が増えたら本当にうれしいなと思ったんです。

だから、まずはその方法論を伝えたかった。「こういう方法があるよ」ということを世に知らしめて、もっと多くの人が日記を書くようになればいいなと思ったんですけど、一方で私はプロの物書きでもあるので、「ある程度力を見せつけたいな」みたいなことも考えるわけです。

だから、この方法に注目して読むうちに、読むこと自体を楽しいと思ってくださったのは、してやったりでめっちゃうれしいです。

古賀及子(こが・ちかこ)
エッセイスト。1979年東京都生まれ。著書『ちょっと踊ったりすぐにかけだす』(素粒社)は、『本の雑誌』の「2023年度上半期エンターテインメントベスト10」第2位に選出。ウェブメディアのライター、編集者を経て 2024年より現職。著書に『5秒日記』、『忘れたこと、忘れないままのこと』、『好きな食べ物がみつからない』、『ちょっと踊ったりすぐにかけだす』ほか。近刊は『暮らしの信じ方』。
古賀及子(こが・ちかこ)
エッセイスト。1979年東京都生まれ。著書『ちょっと踊ったりすぐにかけだす』(素粒社)は、『本の雑誌』の「2023年度上半期エンターテインメントベスト10」第2位に選出。ウェブメディアのライター、編集者を経て 2024年より現職。著書に『5秒日記』、『忘れたこと、忘れないままのこと』、『好きな食べ物がみつからない』、『ちょっと踊ったりすぐにかけだす』ほか。近刊は『暮らしの信じ方』。

松井 はい。もうまんまとですね。

古賀 でもやっぱりね、この方法を伝えたいというのが本当に冗談抜きで、最初の書く動機でもありますし、きっかけだったので、そこをおもしろいと思ってくださったというのは本当に感激です。よかった。

松井 シンプルでわかりやすいんです。日記って本当に、自分のその日のあらすじを書こうみたいな気持ちになってしまうのですが、古賀さんみたいに、この5秒、一つここだけ、というところにフォーカスして書けたら、後で読み返したときに、どれだけ自分の日常がおもしろかったり豊かだったり、自分にもこんな視点があったんだって気づけるなと思ったんです。

で、この本を昼の番組で紹介させていただいたときに、番組の方の発案で、みんなで「5秒日記」を書いてみよう、ってなって……。

古賀 ありがとうございます。すごい反響でした。

松井 その人にとっての5秒って、やっぱりその人からしか見えないから、同じような場面を書いていても全く違うんだなと思って。

古賀 そう。そうなんです。

松井 この書き方って本当におもしろいなと思ったので、自分で日記を何冊も書いているのですが、最近そのうちのいくつかは5秒にフォーカスして書いてみようと思って実践してます。

古賀 わあ。それも早く読みたいですね。