国税庁が怒り心頭! 穴が塞がれることは確実
高齢化により大相続時代を迎え、相続関連ビジネスは一大産業となりつつある。
総額500兆円近いともいわれる富裕層のマネーをめがけ、近年、金融機関も相続対策の人員を増強するなど力を入れている。
裁判になっていることからも分かるとおり、なかには素人でもわかるようなグレーに近い融資案件もあるが、「資本力のある富裕層は取りっぱぐれがない上客であり、金融庁から不動産投資への融資を控えるように指導が入る中でも『別枠』としてカウントされている」(全国紙経済部記者)。
国税庁の資料からも分かるとおり、こけにされた形の政府も黙っていない。もともと企業経営者からの支持を母体としており富裕層に甘いとされる自民党だが、政府・与党は26年度の税制改正で不動産を使った節税策にメスを入れる予定だ。
区分マンションに関しても、購入後5年以内の相続の場合は評価額を抑えにくくする方向で調整されている。
また、徹底的に狙われているのが、「不動産小口化商品」とされる。都心一等地のオフィスの所有権を小口化し、「信託受益権」として贈与する手法で、これも取得価格と評価額の差を使って相続税を圧縮する。
近年、一部の不動産事業者が節税策として大々的にアピールしており、富裕層の間で流行の商品となっていた。
国税庁の資料では、68歳の贈与者が3000万円で取得した信託受益権を孫とみられる9歳の受贈者に対して贈与し、贈与後にすぐに売却することで本来1195万円だった贈与税を49万円まで圧縮した様子が「事案」として紹介された。
もはや、不動産取引という体裁すらとらず、節税のためだけに過激化しているというのが実情だった。国税庁側も、「節税と称して種々の相続税対策が喧伝されており、不動産や株式などの評価額を圧縮するスキームが広く利⽤されている状況」と怒り心頭で、穴が塞がれることが確実な状況だ。
もっとも、前述の税理士のB氏は「いくら穴を塞いでも、次の穴は絶対に見つかる」と意に介さない。既に、顧客に対してはまだ元気なうちから時間をかけて生前贈与に取り組むことなどを「指導」しているという。
また、タワマン節税は封じられたものの、依然として戸建てに比べて評価額は低いため、「地方で販売されているような億ションの大半は相続税の圧縮目当てで地場の富裕層が購入している」という。大半の市民のあずかり知らぬところで行われている、富裕層と国のイタチごっこが終わることはなさそうだ。
文/築地コンフィデンシャル













