無理心中を図ったが死にきれなかったとみられる

亡くなったのは長男で小学校3年生の継真(けいしん)君(8)と長女で保育園児の梨心(りこ)ちゃん(5)で、県警は長男に対する殺人容疑で7月24日、太田容疑者を逮捕した。2人とも首から血を流しており、血のついた刃物が室内から見つかった。太田容疑者の首にもわずかな切り傷があったといい、無理心中を図ったが死にきれなかったとみられている。

太田一家が暮らしていたアパート(撮影/集英社オンライン)
 
太田一家が暮らしていたアパート(撮影/集英社オンライン)
 
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太田容疑者は梨心ちゃんの愛称から「りこぴママ」とママ友たちから親しまれていた。
集英社オンラインは事件発生当日の初報で、住民の証言として「今年1月までは夫と思われる男性が同居しており、車も2台あった」などと報じたが、男性は夫ではなく「彼氏」だったようだ。ママ友の1人が語る。

「りこぴママはとても明るくて、彼女の方から『LINE交換しよう』と声をかけてもらって仲良くなりました。今年に入って旦那さんが出て行ったみたいな報道がありましたが、あれは旦那さんじゃなくて彼氏です。旦那さんとは2021年10月には離婚していました。正確な時期は覚えていませんが、突然LINEに『昨日離婚した―』って入ってきてびっくりしたのを覚えています。りこぴママは和歌山県出身で、実家も関西にあると言っていました。普段から『そうなんやー』と関西弁で話すし、本当に明るくて可愛らしい感じでした」

気丈な一面をのぞかせることもあったという。

「離婚前から今のアパートに住んでいたはずなので、離婚後は家賃の支払いもキツかったのかとは思うのですが、本人は『養育費いっぱいもらってるから大丈夫なんや』とママ友たちにも言っていました。子供たちは本当に可愛がっていたと思います。継真くんは公文式の塾に通ったり、空手も習っていましたし、りこぴもママにはとってもなついていました。
事件直前の7月21日には保育園の夏祭りがあって、りこぴママも含めて何人かの保護者は夏祭りが終わると仕事に戻って、またお迎えの時間に子供を迎えに来る予定でした。でもこのときは、りこぴが『ママと一緒に帰りたい』って泣きじゃくって、それを抱っこしてあやす彼女を見たら、子供を心の底から可愛がっていたとしか思えないんです」

太田容疑者(知人提供)
太田容疑者(知人提供)

ママ友たちは、太田容疑者が我が子2人を連れて公園で仲良く遊ぶ姿や、楽しそうにお出かけする様子を日常的に目にしていた。虐待の兆候などは一切なかったというが、最近は気分が落ち込んでいたフシもあったという。ママ友が続ける。

「離婚後しばらくして『彼氏ができたんだ』と嬉しそうにしていたりこぴママですが、その彼氏とも今年の1月に別れたと聞きました。あと、つい最近になって保育園の先生に『気分が落ち込んでいる』と漏らしていたようです。これは私の推測でしかないですが、『お金はたくさんある』と公言していたのは強がりで、実際は生活がきつくて悩んでいたんじゃないかなって思います」