フィットネスクラブや弁当屋で働いていた
太田容疑者はフィットネスクラブや弁当店で働いていた。
「ダブルワークしていた時期があったにしても、そんなにたくさん稼げたわけではないでしょうし、子供たちが夏休みに入ると、思った以上に手もお金もかかります。食事だけでなく、どこか遊びに連れて行ったりもしますしね。なんとなくですが、将来のことやお金のことを考えたときに不安になり、子供たちを残していくわけにもいかないと思ったんじゃないでしょうか。私はそんな気がします」
近くのアパートに住む別のママ友は、特に異変を感じたことはなかったという。
「うちが4年前に引っ越してきたときには、太田さんはもうこちらにお住まいで、子供さんたちとアパートの駐車場でボール遊びをしていたのをよく覚えています。子供の泣き声や、叱りつけるような声や物音も聞こえたことはないので、今回の事件は信じられません。彼女は、コンビニでも男性の店員にフレンドリーに話すようなところがあったので、モテるタイプなのかもしれないですね。でも、メイクも濃くないし、服装も派手でない、普通のお母さんて感じですよ。最後に話したのは夏休み前で、『暑いですね』程度でしたが、悩んでいる様子もなく、本当にいつも通りでした」
太田容疑者が勤務していた近くのフィットネスクラブの男性スタッフはこう証言した。
「太田さんは昨年末に辞めたということを聞いています。うちのスタッフは全員が5月以降からここで働いているので、太田さんのことは詳しく知らないんですよ」
いっぽう、弁当店の店長は、2人の子供も含めて太田容疑者の人となりをよく知っていた。
「太田さんは、半年くらい前からうちで働いていました。うちは、託児所も併設しているので、働きやすかったのかもしれません。休憩中には子供の様子を見に行ったりと、太田さんは『いいお母さん』というイメージでした。スタイルも良くて関西弁だから、気が強く見えるかもしれませんが、お店ではいたって真面目に働いてくれていましたよ。お金に困っている様子はなくて、シフトを増やしてくれとか、バイト代の前借りを申し出るようなこともなかったです。
上の男の子は僕のことをいとこのお兄ちゃんみたいに、なついてくれていたので、すごいショックです。太田さんは事件が起きる直前までうちで働いていましたし、お兄ちゃんのほうは『この前、空手の大会が終わったよ』と報告してくれたし、妹さんも『ママと買い物してきたの』とうれしそうに話してくれたこともあります」