北多摩北地区出身者が、同じ多摩地区や
近い市区町村に抱いている本当の気持ち

僕は北多摩の中でもさらに北の端、埼玉県新座市と隣接する“北多摩北”の東久留米市で長い長い時を過ごした。
だから近隣の清瀬市や西東京市、東村山市、小平市などの出身者に特に強い親近感を抱く。

そして前述のように、距離的には一番近いのに、埼玉県新座市出身者にはちょっと違う感じ……、ええい、思い切って言ってしまえば、少しだけ(ほんと少しだけ)“上から目線”な気分になってしまうのだ。
あー嫌だ嫌だ。なんて醜い人間なのだ。

醜いついでに言えば、東京のマイナータウン東久留米市出身の僕から言わせれば、清瀬市や西東京市、小平市なんかは同レベルだと思う一方、東村山市や東大和市には、正直言って少しだけ優越感を持っていたりする。
「まあ、志村けんや多摩湖があって良かったね」というのは、いやらしい余裕の表れなのである。

同じ北多摩エリア内でも、遠く離れた狛江市や昭島市あたりになると、ちょっとよそよそしい気分が混じってくる。
一方で、国分寺市や立川市、国立市には憧れに近い念を抱いている。
だって、中央線カルチャーの色濃い地域だから。

また同じ中央線エリアで、しかも若い頃によく遊んでいた吉祥寺を擁する街だけど、武蔵野市に対しては、心に軽くバリアを張ってしまう。
「多摩っていっても、アンタらどっちかっていうと23区寄りじゃん」と思ってしまうのだ。
やっぱり吉祥寺の人気が高まりすぎたから、こちらは卑屈になってしまうのだろうか。
その点、お隣の三鷹市に対しては、武蔵野市よりもずっと優しい気分で接することができるのである。

今さらだけどこの原稿、需要ある? まあいいか。

吉祥寺はもはや、多摩地区のエリート/photo AC
吉祥寺はもはや、多摩地区のエリート/photo AC
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そして、少しだけ23区にも目を向けてみよう。
練馬区、中野区、杉並区に関しては、「23区内って偉そうにされるのは心外だ。どっちかっていうと君たち、こっち側だから」と思う。
渋谷区や新宿区は都会すぎて、もうよく分からない。
そして我ら多摩人にとって、特に東久留米市のような西武池袋線沿線出身者にとって最大のリスペクトの念を抱くのは、田舎者の大都会、池袋を擁する豊島区なのである。
豊島区ブラボー! 池袋グレート!

ところで、このまま書き進めても大した結論には至らなそうなので、このへんで撤退します(そういうこともあるさ)。

とっちらかったままですが、さようなら。

文/佐藤誠二朗