ジェンダーレストイレは本当に多様性なのか?

――最近のニュース、例えばジェンダーレストイレの議論について思うことは?

もともと日本はジェンダーの認識の面で世界に比べたら遅れていたけれど、それがある意味功を奏した面もあったんです。海外では行き過ぎたジェンダー平等によって無理が出てきたところもあって、少しずつ修正する段階に入っています。にも関わらず、日本は行政が海外の事例からまったく学んでいないところが問題です。

たとえばアメリカでは、スポーツの場面で女性とトランスジェンダーを混同してはいけないというルールも出来つつあります。そういう議論を無視して日本は表面的なことばかりしていて、安易だなと思います。

多様性というのであれば、ジェンダーレストイレは怖いと訴えている女性の声も聞かないと、多様性になりません。

「日本で女性の管理職や政治家が少ないのは、出世志向の女性が少ないから」というフィフィ。多くの日本女性が日本社会に根付く女性の立ち位置を容認し、自ら選択している現状_4
ジェンダーレストイレは「東急歌舞伎町タワー」などでも物議を醸している ※写真はイメージです

――最近、新刊『まだ本当のことを言わないの? 日本の9大タブー』(幻冬舎)という本を出されましたが、どんな内容ですか?

中国や韓国との外交問題や、技能実習制度、移民解禁、フェミニズム、カルト宗教、学校教育など、日本社会に横たわるさまざまタブーについて書き尽くしました。たとえば、小中学校では子供に対しては「児童手当」が支払われているので、本来であれば、給食費が払えないっていうのはおかしいんです。

だったら、国が一括して給食費を払って無償化すればいいのに、それができないのは利権なんですよね。学校ごとに、どの業者を使うかという。

ほかには、世界経済フォーラムが発表している「ジェンダー・ギャップ指数」の問題点についても書きました。この数字によれば日本は146か国中116位と、先進国では最低レベルですが、日本ではなぜ女性の管理職や政治家が少ないかというと、出世志向の女性が少ないからにほかなりません。日本の多くの女性は、日本社会に根付いている女性の立ち位置を容認し、自ら選択しているのではないでしょうか。

「日本で女性の管理職や政治家が少ないのは、出世志向の女性が少ないから」というフィフィ。多くの日本女性が日本社会に根付く女性の立ち位置を容認し、自ら選択している現状_5
大学生の息子を持つ母親の一面も持つ
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私は日本が大好きだし、日本はもっと素晴らしい国になれると信じているからこそ、おかしいと思ったことははっきり言っています。これからも日本のみなさんに問題提起して、一緒に考えていきたいです。

#1 「子供の泣き叫ぶ声が聞こえていても、他人だから関係ない」無縁社会ニッポンを憂う

取材・文/西谷格