テレビ局上層部を納得させたシミュレーション撮影
――「絶対に使わない」と言われてどんな気持ちでしたか?
内心、チャンスだと思いました。それでどんな言葉で話しかけようと考えて、ちょうど時期が12月で年末調整シーズンだったから「Where can I pay my tax?(税金はどこで払うの?)」に決めました。
シミュレーション当日、考えていた質問をしようと歩いてる人に「グッドモーニング!」と声をかけても、誰もが「ノー! ノー!」って逃げちゃう。3分しかないのに困ってしまいました。
それで残りわずかの時間で見つけた2人のおばちゃんに声をかけたら、1人が逃げてしまったので、もう1人の腕をガシッと掴んで興奮気味に「Where can I pay my tax?」って叫んだんです。今なら大問題ですよね……。
――それだけ必死だったんですね。
そう、必死。
私の叫び声の「tax」だけ聞き取ったのか、おばちゃんは「オーケー! オーケー!」って言いながら、今度はおばちゃんが私の手を引っ張ってタクシーに乗せた(笑)。
そこでドアが閉まってタクシーが走り出して、3分ちょうど。
このシミュレーション映像を澤田さんが上層部に提出したら「コーナーとして成立するかはわからないけど、この男性を使うんだったらいいよ!」となったんです。念願が叶った瞬間でした。
――王子駅のおばちゃんを巻き込んだ見事な3分寸劇。そうして始まった「ウィッキーさんのワンポイント英会話」。開始当初から好評だったんですか?
いいえ、最初は全然ダメ。始まって2週間で「終わりにします」と言われてしまいました……。
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悲願のテレビ出演を果たしたウィッキーさんの身に何が? 今だったら社会問題必至のその理由は後編で!
取材・文/河合桃子
集英社オンライン編集部ニュース班