集英社オンライン
  • 新着
  • ランキング
  • ニュース
  • 教養・カルチャー
  • エンタメ
  • 特集・漫画
    • 来世ではちゃんとします
    • 私を壊した映画たち
    • 僕にはまだ 友だちがいない
    • 「能代工9冠」無敗の憂鬱
    • くも漫。
    • 大人も知っておきたい性のあれこれ
    • 4コマ漫画 ちびまる子ちゃん
    • ウクライナ情勢
    特集・漫画一覧を見る
    • 戸田奈津子が愛した映画人
    • 氷上の表現者たち
    • ロードショー COVER TALK
    • 前川ヤスタカの考えすぎテレビ
    • 木村草太の「あれ、どういうことなんだろう?」
    • 毎日こち亀
    特集・漫画一覧を見る
  • 連載
    • 来世ではちゃんとします
    • 私を壊した映画たち
    • 僕にはまだ 友だちがいない
    • 「能代工9冠」無敗の憂鬱
    • くも漫。
    • 大人も知っておきたい性のあれこれ
    • 4コマ漫画 ちびまる子ちゃん
    • ウクライナ情勢
    連載一覧を見る
    • 戸田奈津子が愛した映画人
    • 氷上の表現者たち
    • ロードショー COVER TALK
    • 前川ヤスタカの考えすぎテレビ
    • 木村草太の「あれ、どういうことなんだろう?」
    • 毎日こち亀
    連載一覧を見る
  • カテゴリ
    • エンタメ
    • 教養・カルチャー
    • ビジネス
    • 暮らし
    • ヘルスケア
    • ファッション
    • グルメ
    • スポーツ
    • 恋愛・結婚
    • 占い
    • 美容
    • お知らせ
  • ロードショー
  • 占い
  • 編集部
集英社オンライン

Follow Us

トレンドタグ
TREND
  • #大塩衣与
  • #狛江
  • #刺殺
  • #ルフィ
  • #土竜
  • #高知東生
  • #覚せい剤
  • #殺人
  • #メンタルケア
  • #薬物依存症
  • #死刑囚
  • #寺内進
  • #川野美樹
  • #博多
  • #上田美由紀
タグ一覧を見る
人物
PEOPLE
  • 秋元康隆
  • 松井優征
  • 力石恒元
  • 朽木鴻次郎
  • 小松香里
人物一覧を見る
スポーツ 2022.08.27

もうひとつの甲子園ドラマ。今夏、“デビュー”を果たした雑草解説者の矜持

高校野球のテレビ解説は、プロ野球とは違い、高度な野球知識や技術論より、子供からお年寄りまでどんな視聴者層にもわかりやすく、試合に感情移入出来るような話が求められる。それだけに語る内容や口調の中にも、各解説者の人柄が出てくるものだ。解説者にも様々なドラマがある。この夏の大会から解説者デビューを果たした、飯塚智広さん(前NTT東日本監督・46歳)を追った。

  • 矢崎良一
  • #井端弘和
  • #飯塚智広
  • #甲子園
  • #亜細亜大学
SHARE

NHKから突然の出演依頼

飯塚のスマホに突然、見慣れない番号から着信が入ったのは、夏前のことだった。「NHKです」と聞き、「俺、なんか悪いことしたっけ? 受信料払ってるよな?」と慌てていると、夏の甲子園での解説の依頼だった。

まったく何の前触れもない、降って湧いたような話。瞬間的に、毎年の甲子園のテレビ中継で、解説者たちがマイクの前で知的に語る姿が頭に浮かんで腰が引けた。

「いやいや、僕は甲子園に縁もないし、東京六大学の出身でもないし、関東の人間だし、若くもないし……」と煮え切れない言葉を並べてみたが、「全然大丈夫です。全部クリアーです。引き受けていただけませんか」と熱心に誘われた。

関東地区から解説に呼ばれている社会人野球の先輩指導者たちが「いいヤツがいる」と推薦してくれていたという。「僕なんかでよければ」と快諾した。謙虚な言葉とは裏腹に、嬉しさで心が高揚していた。

もうひとつの甲子園ドラマ。今夏、“デビュー”を果たした雑草解説者の矜持_1

飯塚智広さん

初解説は大会5日目(8月10日)の明秀日立(茨城)-鹿児島実業戦。バックネット裏の高い位置にある放送席に座り甲子園のグラウンドを一望すると、スーッと鳥肌が立った。「あれはもう、最上級の特等席ですね」と楽しそうに言う。

飯塚は大学、社会人で優勝を経験。プロアマ合同チームとなったシドニー五輪に日本代表として出場し、現役引退後には監督としても日本一を勝ち取った。そんな華々しい球歴の中で、甲子園出場だけが抜け落ちている。二松学舎沼南高校(現・二松学舎大柏)2年生の夏、千葉県大会決勝戦で拓大紅陵に1-2で敗れた。

解説をしながら、ふと「あのとき勝っていたら、ここで試合が出来ていたんだな」という思いが胸をよぎり、少しせつなくなった。同時に「そんな場所で、まさか自分が仕事をする時が来るなんて」と感慨深かった。

「やっぱり野球は甲子園なんですよ。甲子園に出ていない人はエリートじゃないんです。だから僕は一番キャリアのない雑草解説者です」と自虐の笑顔。

だからこそ、甲子園には特別の思いがあった。一度だけ球場に入ったことがある。NTT東日本監督時代の2016年秋、大阪ドームで開催される日本選手権の試合の空き日、時間があったので、「甲子園も見たことないんじゃ優勝なんて出来っこねえよな」と、こっそり球場見学ツアーに申し込んだ。

何度も口にした「甲子園っていいところですね」

無人のスタンドに入り、バックスクリーンの横からグラウンドを垣間見た。40歳を過ぎて、初めてナマで見た甲子園。全身に鳥肌が立った。翌2017年、NTTは都市対抗で初優勝を果たす。

2021年限りで監督を退任。長く病に伏せっていた父親が、今年2月、飯塚がユニフォームを脱ぐのを見届けると、力尽きるように他界した。その後に、解説の話が来た。「親父にも見せてやりたかったな」と思い、バッグに父親の写真を入れて解説席に座った。

解説では、ともすると試合に浸ってしまう。社会人野球の都市対抗でも解説は経験しているが、まったく感覚が違う。ベテランの解説者に聞くと「甲子園も普通の球場だよ」と言われたが、「ここで野球をやれることが凄い」という気持ちが先に立つ。

試合中、「甲子園っていいところですね」と何度も口にした。敗色濃厚のチームの試合終盤の反撃にスタンドから湧き上がる拍手を聞き、「これが甲子園なんですねぇ」としみじみ言った。

「カッコつけずに心から出てくる言葉を素直に言ったつもりです。しゃべりのテクニックもないし、ボキャブラリーもそんなに豊富じゃない。自分の知っている野球を伝えただけなんです」

それでいて、走者がいる場面での外野手の打球処理や、三塁ベースコーチの心理などにも言及する飯塚の、きめ細かな解説は高評価を受けていた。

「すべて自分自身がやってきたことなので。大学で細かい野球を教わり、キャプテンをやり、社会人で引退してからはベースコーチも経験しました。それなりに広い視野で野球を観ることが出来ていると思います。

それに、こうして甲子園という晴れ舞台に出てきたチームですから、中心選手だけじゃなく、縁の下の力持ちであるベースコーチもクローズアップしてあげたいじゃないですか」

亜細亜大、内田前監督からのショートメール

もうひとつの甲子園ドラマ。今夏、“デビュー”を果たした雑草解説者の矜持_2

2017年、都市対抗野球でNTT東日本を優勝に導く

現在は所属するNTT東日本のスポーツ推進室という部署に籍を置く。野球部から離れ、初めは何をしていいのかわからなかった。監督退任後、上司から「お前は在籍24年の中で23年も野球をしてきた。自分の強みを活かして会社に貢献しろ。何が出来るのか、自分で探せ」と言われた。

考えた末に行き着いたのは、日本のスポーツの裾野にある問題だった。今、中学や高校の部活動は指導者の不足という問題に直面している。とくにマイナー競技は深刻だ。野球でも、硬式野球は経済的に負担が大きいという理由で辞めてしまう子供がいる。そういう〝部活動難民〟を救おうというテーマでプロジェクトを立ち上げた。

NTT東日本は野球以外にもバドミントン、ボートなどもシンボルスポーツとして力を入れている。バドミントンには桃田賢斗というスター選手もいる。そこでNTTがネットワークビジネスという特性を活かして、環境に恵まれない地方の子供などを対象に、リモートでアカデミーを開講していけないか。

そんなプロジェクトの準備に多忙な毎日を過ごす中、久しぶりに自分の原点に帰れたのが甲子園の解説だった。ちなみに母校の亜細亜大OBからは初めてとなる甲子園解説者。公式発表されると、大学時代の恩師である内田俊雄前監督から突然連絡が来た。

「誇りだ。亜細亜初」

75歳の無骨な野球人から届いた不器用なショートメール。読んで涙が出た。すぐに「何よりも監督に褒めていただけたことが嬉しいです」と返信した。初解説の翌日、内田は朝6時に、飯塚と同期の井端弘和(元・巨人)に電話を掛け、「おい。見たか?」と興奮しながらあれこれ話していたという。

テレビで3試合、ラジオが2試合。担当試合を終え帰京すると、復習の意味で録画しておいた試合を観た。「ちょっと言葉が足りなかったかな」と反省もしている。担当者からは「好評だったんで、来年もスケジュールを空けておいてください」と言われている。

「僕は野球に育ててもらった人間なので、少しでも野球に恩返ししていきたい。そういう気持ちで、また呼んでいただけたら、喜んで行かせてもらうつもりです」と飯塚は笑った。


取材・文/矢崎良一 写真/共同通信社 shutterstock

さらば“高校野球界の増田明美” またひとり甲子園を去った名解説者はこちら

最初のページに戻る

矢崎良一

やざき りょういち

1966年山梨県生まれ。出版社勤務を経てフリーランスのライターに。野球を中心に数多くのスポーツノンフィクション作品を発表。細かなリサーチと“現場主義"に定評がある。著書に『松坂世代』(河出書房新社)、『遊撃手論』(PHP研究所)、『PL学園最強世代 あるキャッチャーの人生を追って』(講談社)、『松坂世代、それから』(インプレス)など

    SHARE

    Twitterをフォローしよう

    • HOME
    • スポーツ
    • もうひとつの甲子園ドラマ。今夏、“デビュー”を果たした雑草解説者の矜持

    新着記事

    エンタメ 2023.01.29
    NEW
    エンタメ / 2023.01.29

    「エアコンの暖房機能を知らなかった」「ボトルシップ作りなど家で一人で遊べるものが好き」フジテレビ渡邊渚アナウンサーの意外すぎる素顔とは

    フジテレビアナウンサー渡邊渚エッセイ 「カタツムリになりたくない」 vo.1

    渡邊渚

    エンタメ 2023.01.29
    NEW
    エンタメ / 2023.01.29

    両さんの謎ポエムあれこれ

    秋本治
    週刊少年ジャンプ編集部他

    エンタメ 2023.01.28
    エンタメ / 2023.01.28

    Tani Yuuki『もう一度』を読み解く!【ヒャダインのこの歌詞がすげえ!】

    ヒャダイン
    non-no編集部

    エンタメ 2023.01.28
    エンタメ / 2023.01.28

    真冬の車中泊の旅―四国のど真ん中で食べた、初めての“ミリメシ”が五臓六腑にしみたワケ

    車中泊の旅に出るなら #17

    佐藤誠二朗

    教養・カルチャー 2023.01.28
    教養・カルチャー / 2023.01.28

    「普通、こうでしょう」と言われることでしんどい思いをしている人が、そこかしこにいる―「父ではない」「子どもはいない」武田砂鉄が「第三者」として考えたこと

    武田砂鉄
    青春と読書

    エンタメ 2023.01.28
    エンタメ / 2023.01.28

    「あいつは俺だ! アムロ・レイ14歳は、俺そのものなんだよ!」中2の樋口真嗣の選民意識と承認欲求を満たし、創作の道へと(多分)進ませた、アニメ作品の金字塔!【『機動戦士ガンダム』テレビ編】

    私を壊した映画たち 第3回

    樋口真嗣
    ロードショー編集部

    ビジネス 2023.01.28
    ビジネス / 2023.01.28

    「“発達障害者は単純作業が得意”は先入観」…当事者が立ち上げた、生きづらさを抱えている人たちが適職を探せるサービスとは

    大人の発達障害#1

    林田絵美
    長谷川倫美他

    ビジネス 2023.01.28
    ビジネス / 2023.01.28

    発達障害をもつ人が自立的に働くためのヒントは“「苦手」への対策を自分で考える”こと

    大人の発達障害#2

    林田絵美
    長谷川倫美他

    教養・カルチャー 2023.01.28
    教養・カルチャー / 2023.01.28

    良妻賢母という呪い カーマ・ブラウン『良妻の掟』を♪Akiraさんが読む

    カーマ・ブラウン
    ♪Akira他

    新着記事一覧を見る

    Tag

    • #井端弘和
    • #飯塚智広
    • #甲子園
    • #亜細亜大学

    RANKING

    最新
    24時間
    週間
    月間
    最新
    24時間
    週間
    月間
    記事ランキングの一覧を見る

    RANKING

    最新
    24時間
    週間
    月間
    最新
    24時間
    週間
    月間
    漫画ランキングの一覧を見る

    SPECIAL

    最新情報をお届け

    毎日が、あたらしい

    • HOME
    • 新着
    • ランキング
    • ニュース
    • 教養・カルチャー
    • エンタメ
    • 特集・漫画
    • 連載
    • ロードショー
    • 占い
    • 編集部
    • カテゴリ
    • エンタメ
    • 教養・カルチャー
    • ビジネス
    • 暮らし
    • ヘルスケア
    • 美容
    • ファッション
    • グルメ
    • スポーツ
    • 恋愛・結婚
    • 占い

    マンガ

    少年マンガ

    • 週刊少年ジャンプ
    • ジャンプSQ.
    • Vジャンプ
    • 最強ジャンプ
    • 少年ジャンプ+
    • ゼブラック
    • ジャンプBOOKストア!
    • ジャンプルーキー!
    • S-MANGA
    • 集英社ジャンプリミックス
    • 集英社コミック文庫

    青年マンガ

    • 週刊ヤングジャンプ
    • ヤングジャンプ定期購読デジタル
    • ヤンジャン!
    • となりのヤングジャンプ
    • あしたのヤングジャンプ
    • グランドジャンプ
    • ウルトラジャンプ

    少女マンガ

    • りぼん
    • マーガレット
    • 別冊マーガレット
    • ザ マーガレット
    • デジタルマーガレット
    • マンガMee
    • コミックりぼマガ
    • マンガMeets

    女性マンガ

    • クッキー
    • ココハナ
    • 月刊オフィスユー

    取材・ファッション

    ファッション・美容

    • Seventeen
    • non-no Web
    • MORE
    • @BAILA
    • MAQUIA ONLINE
    • SPUR.JP
    • LEE
    • Marisol
    • Web éclat
    • OurAge
    • The New York Times Style Magazine: Japan
    • HAPPY PLUS
    • MEN'S NON-NO WEB
    • UOMO
    • yoi

    芸能・情報・スポーツ

    • Myojo
    • Duet
    • 週プレNEWS
    • 週プレ グラジャパ!
    • web Sportiva

    書籍

    文芸・文庫・総合

    • すばる
    • 小説すばる
    • 集英社 文芸ステーション
    • web 集英社文庫
    • 青春と読書
    • e!集英社

    学芸・ノンフィクション・新書

    • 集英社 学芸編集部
    • 集英社 ビジネス書
    • 集英社新書
    • 集英社新書プラス
    • よみタイ
    • kotoba
    • imidas

    ライトノベル・ノベライズ

    • 集英社Webマガジン Cobalt
    • 集英社オレンジ文庫
    • シフォン文庫
    • ダッシュエックス文庫
    • JUMP j BOOKS
    • TanZak

    キッズ

    • 集英社みらい文庫
    • S-KIDS.LAND

    オンラインストア・その他WEBサービス

    オンラインストア

    • SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE
    • ジャンプキャラクターズストア
    • HAPPY PLUS STORE
    • LEEマルシェ
    • SHOP Marisol
    • éclat premium
    • HAPPY plus BEAUTY
    • mirabella
    • mirabella homme
    • zakka market

    その他WEBサービス

    • SHUEISHA ADNAVI
    • EDITOR'S LAB

    ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。ABJマークの詳細、ABJマークを掲示しているサービスの一覧はこちら → https://aebs.or.jp/

    • ABOUT US
    • 集英社プライバシーガイドライン
    • 広告掲載について
    • お問い合わせ
    • 規約

    SHUEISHA Inc. All Right Reserved.

    もうひとつの甲子園ドラマ。今夏、“デビュー”を果たした雑草解説者の矜持 | スポーツ記事一覧 | 集英社オンライン | 毎日が、あたらしい