次に調子が悪くなった時の準備

常に試合に出ているということは、それだけ成績を残しているというイメージがあるかもしれないが、自分はシーズンを通して見ると、調子のいい時と悪い時の波が大きいタイプの選手だった。

シーズン終了後の打率を見ると、だいたい2割7分から2割8分。数字的には活躍しているように見えるが、開幕してからしばらくは打率が2割台前半ということはよくあった。

そうしたなかで、例えば20打席ノーヒットの時でも、次に同じような状態になった時にどうやって抜け出すかということを打席でいろいろ試していたりもする。

そのためにノーヒットの打席数が思ったより増えてしまうこともあるのだが、次に調子が悪くなった時の準備をしているような前向きな感覚でいるので、失敗もあまり気にならない。

打てなくて「ヤバい……」「どうしよう……」という思考になるのではなく、「あれはどうだろう……」「これはどうだろう……」「今度はこうやってみよう」というように新しい発想を試せばいい。自分はそうすることで、調子が悪すぎて逃げ出したいという気持ちにはならなかった。

バッティングについては、昔からずっと人と違う打ち方だった。バットのヘッドが大きく外を回るので、「それじゃ打てない」といろいろな方から言われてきた。ただ、それを修正するための練習をすると、自分の打てるポイントが変わり、年間トータルの結果がイメージできなくなってしまう。

結局はその場しのぎで直したふりをするだけで、1か月もすると自分の形に戻して……という作業を繰り返してきた。チームの方針によって打ち方に制約をかけられる場合もあったが、その時もおかしくなったと感じたら、自分の形に戻すようにしていた。