内田容疑者がLINEを使って阿部さんの生存を偽装した可能性も

名古屋市中区のブランド品買い取り店「おたからや名古屋栄店」の店長、阿部光一さん(42)が同区内の自宅マンションの一室で変死体で見つかる事件があり、愛知県警捜査1課は24日、同店元従業員の無職、内田明日香容疑者(29)=同市北区=を死体遺棄容疑で逮捕、25日に送検した。内田容疑者は2014年ごろから同店に勤務していたといい、二人の間に何らかのトラブルがあったとみられる。

留置施設から移送される内田容疑者(写真/共同通信社)
留置施設から移送される内田容疑者(写真/共同通信社)
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内田容疑者は9月末ごろから今月21日午後1時半までの間に、中区新栄町のマンション9階の阿部さんの自室で、毛布に包んだ阿部さんの遺体を寝室のクローゼットの中に隠して遺棄した疑い。県警は内田容疑者の認否を明らかにしていない。

阿部さんの姿は生きている姿は9月末に姉が確認したのが最後だが、以降も阿部さんのLINEアカウントを使って親族らにメッセージが発信されており、不審に思った姉が20日に行方不明届を提出し、翌21日に中署員が遺体を発見した。遺体は全裸で毛布に包まれ、頭にはビニール袋、手首はロープで縛られていた。寝室の出入り口のドアは外側から粘着テープで目張りされ、玄関ドアは施錠してあった。

司法解剖の結果、死後1ヵ月半から2ヵ月が経過して腐敗が進行しており、死因は特定できなかったが、状況からみて殺害された可能性が高い。県警は遺体の発見を遅らせるために内田容疑者がLINEを使って阿部さんの生存を偽装した可能性もあるとみて、追及している。

阿部さんが遺棄された自宅マンション(撮影/集英社オンライン)
阿部さんが遺棄された自宅マンション(撮影/集英社オンライン)

内田容疑者の自宅は名古屋高速道路11号の高架沿いにある、2階建ての小ぎれいなアパート。3年ほど前の入居時に「別の姓を名乗っていた」と大家の知人が語る。

「3年前くらいに入居してこられたんですが、当時の契約者はご主人で、苗字も内田ではなかった。新婚で新居として引っ越して来られたという記憶があります。旦那さんは普通の会社員で、内田さんと同世代の方でした。ところが引越してきて早々に破局することになり、アパートも退去されるのかと思いきや、女性の方がその後も契約を続けるとのことで契約し直しました。その際に名義も内田姓に変わっていて、職業は水商売と聞いていました」

賃貸時の保証人は、内田容疑者の母親だったという。大家の知人が続ける。

「保証人になったお母さんも内田さんとはまた違う苗字で、愛知県内の方でした。内田さんの方は契約し直したものの、離婚後はアパートでも見かけたことがなく、部屋のシャッター(雨戸)もずっと閉まっていたし、人の気配がまったくしませんでした。あまりの人気のなさに、管理会社が保証人のお母さんに所在確認の電話をしたら『大丈夫です、娘は元気です』という返事があったそうです」