宮本被告は2020年7月、叔母を殺害しようとしてタリウムを摂取させた疑いが強まった。当時、この叔母は倒れて病院に救急搬送されたが、大脳の一部を損傷しており高血圧脳症と診断され、現在も人工呼吸器を装着した植物状態が続いている。宮本被告は逮捕後、一貫して黙秘しているという。
〈再逮捕・京都タリウム殺人事件〉植物状態の叔母の元夫は「理由はやっぱりお金だったんでしょうね」栄華を誇った一族は事件後に崩壊「家から物音がまったくしなくなりました」
知人の女子大生に劇薬のタリウムを摂取させて殺害したとして殺人罪で起訴された京都市左京区の不動産賃貸業、宮本一希被告(37)について、大阪府警は叔母(61)もタリウムで殺害しようとした疑いが強まったとして、5月24日、同被告を殺人未遂容疑で再逮捕した。古都の資産家に生まれ、舞妓ビジネスを展開する派手な美食家として知られたボンボンの履歴書に、新たな闇の1ページが加わった。
乗用車に紙袋を10袋ぐらい積み込んで出て行った

宮本一希被告(本人SNSより)
宮本被告は、不動産業で財を成した祖父の代から続く資産家の家に生まれた。一族は比叡山麓の広大な敷地に3棟の屋敷を構え、祖父母や両親、叔母夫妻らから寵愛を受けて育った宮本被告は、地元の私立大学を卒業後は東京で大手広告求人会社に就職。小学校時代の同級生と結婚したが長続きせず離婚。京都にUターンして2018年ごろに再婚し、娘ももうけた。
一族のゴッドファーザーたる祖父から家督を継いでいた叔母の肝煎で、宮本被告は置屋を買い取るなどして芸舞妓のお座敷付きの「舞妓ディナー」を始めるなど、伝統をアレンジしたビジネスに乗り出した。
しかし2020年6月末に父が死亡。続いて叔母も突然倒れたことで経営権が転がり込んできた宮本被告は、一族所有の不動産を次々に売り飛ばし、超高級グルメに散財するさまをSNSで発信するようになる。
そして、昨年10月、自らが経営するイベント企画会社でアルバイトをしていた立命館大3年生(当時)の浜野日菜子さん(21)にタリウムを摂取させ、殺害したとして今年3月に逮捕、起訴されていた。

殺害された浜野さん(本人SNSより)
古都で栄耀栄華を誇った一族は、不祥の孫が起こした事件であっという間に崩壊した。京都市左京区の一族の大邸宅の近くに住む男性はこう言う。
「4月の頭くらいからですかね、宮本さんの家から物音がまったくしなくなりました。3月上旬の事件報道以来、ご家族のお姿は見かけなくなったものの、夜中に洗濯機を回す音だったり、シャワーを浴びる音がしていたのに、今では人の気配がまったくありません。トラックで引っ越す様子はなかったので、おそらく家具なんかはそのままだろうし、また帰ってくる可能性もありますけどね。
たった一度、4月末に一希さんのお母さんが家に戻ってきているのを見かけました。乗用車に紙袋を10袋ぐらい積み込んで、1時間もしないうちに出て行かれたので、生活に必要な荷物を運び出していたんでしょうね」
叔母の元夫は「身内を手にかけるなど
決してやってはいけないこと」
また、宮本被告が叔母と共に経営していたゲストハウスでは看板が外されたという。
「置屋は、あれから入れ替わりもなく潰れたまんまやな。そこから目と鼻の先にあるゲストハウスはまだやってますわ。建物の左下の営業者などが書かれたプレートには叔母さんの名前が書いてあるんで、まだ親族がやってるんだと思いますよ。宿の名前は変わっていたので、やっぱり事件の影響があったんでしょう」

宮本被告の実家は事件後、人気がまったくないという(撮影/集英社オンライン)
そもそも宮本被告は叔母に可愛がられて育った。
宮本被告の同級生はこう振り返る。
「子供の頃から叔母さんがいい人だってエピソードは宮本からちょくちょく聞いていました。ここ数年は叔母さんの支援でいろいろと仕事をしていたし、尊敬や信頼の感情こそみえましたが、憎んでるとか劣等感みたいなものは一切感じなかったですね。
最近は高級なお店とかにたくさん行ってたみたいですけど、昔は皆で普通の居酒屋で飲んでたんですよ。贅沢三昧したいために叔母さんにタリウム盛ったということでしょうか…。ちょっとまだ信じられないですね」
宮本被告には妹がいるが、事件後はSNSも閉鎖したようだ。
妹の友人が語る。
「一希さんにも妹にも子供がいて、事件が報道されるまではよく2人の家族が連れ立ってランチを楽しむ姿などを投稿してましたよ。今回の事件の被害者になってしまった叔母さんとも、元気なころは海外で一緒に水泳などをしたというような投稿もしていました。
しかし、妹も事件の直後からSNSのアカウントを削除してしまいました。一族みんなが仲良しなんだなと思わせる投稿が多かったので、事件の報道を受けて心配していたのですが。今は彼女も含めて、どう過ごしているのかまったくわかりません」

宮本被告(本人SNSより)
今も意識不明が続く叔母の元夫は集英社オンラインの取材にこう答えた。
「警察はちゃんと調べて、証拠と根拠をもって再逮捕したのでしょうから、やっぱりそうだったのか、と思ってしまいます。3月の事件報道直後は彼女の周辺の方たちとも連絡を取り合っていましたが、このごろは連絡も取り合ってないので彼女の近況についても聞いておりません。
一希君に対して今、何を思うかと聞かれると、怒りや許せないというより、もう関わりたくないという気持ちのほうが強いです。身内に手をかけるなど決してやってはいけないことです。彼女には今でも元気でいてほしかった、幸せでいてほしかったと思っています。
一希君がなぜそんなことをやったのだろうと考えてみると、理由はやっぱりお金だったんでしょうね。普段、彼女はそんなに一希君の話はしませんでしたが、彼女が目をかけてビジネスの世界に引っ張ったのでしょう。残念です」
※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。
メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com
Twitter
@shuon_news
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
新着記事
両津勘吉、驚異の肉体
「現役JKが、あらゆるグラビアの中で最強だと思っています」現役女子高校生グラドル、鈴原すずの野望
