その名の通り、足の疲労回復を目的として履く「リカバリーシューズ」。そのジャンルの代表的なブランドである「OOFOS(ウーフォス)」は、2011年にアメリカ・マサチューセッツ州で誕生した。日本では正規販売代理店のアルコインターナショナル株式会社が2018年から国内販売を開始している。
そもそも、リカバリーシューズでなぜ、足の疲労が回復するのか。同社広報担当者の川島クリスティーナさんは、トップクラスの機能性を持つOOFOSについて、「まず、使用している素材がまったく新しい」と話す。
「OOFOSでは、すべてのシリーズに特殊素材『OOfoam(ウーフォーム)』が使用されています。これは一般的なEVA素材のソールとは異なり、反発の衝撃を約37%も抑える新素材。これにより、膝や腰、そして全身にかかる負担が軽減され、疲労回復につながります」
これが、OOFOSのサンダルが「他メーカーのサンダルとは、目的も内容もカテゴリも違う」(川島さん)と言い切る理由だ。1日にだいたい6000〜7000歩ほど歩く私たちの足は、知らず知らずのうちに大きな力を繰り返し受け止め、それゆえに疲れている。
もしその1歩の衝撃が、3/4、2/3になったとしたら。体に備わった回復力が疲れを上回り、次第に活力を取り戻していく。足の疲れは膝、腰、そして全身の疲れへと影響するため、元を断つことでその効果を実感しやすいというのが、OOFOSの理論だ。

完売続出! 入手困難の疲労回復・リカバリーシューズ「OOFOS」って一体何?
「リカバリーシューズ」の人気が高騰している。特にそのパイオニアである「OOFOS」は、ファッション感度の高い層での広がりから始まり、今やその周囲にも波及。近年は完売が続出し、入手困難になっている。なぜここまでの人気となったのか。日本の正規販売代理店であるアルコインターナショナルに話を聞いた。
「雲の上を歩いている感覚」で話題沸騰中
なぜ「足の疲労」が回復?

2018年に日本に上陸したリカバリーシューズブランド「OOFOS」。昨今その人気に火がつき、モデルによっては入手困難な状態が続いている(https://www.oofos.jp)

OOFOSに使われている特殊素材「OOfoam」は、歩行時に発生する足への衝撃を約37%軽減してくれる
「おしゃれなだけ」ではない
OOFOSは大手シューズメーカーに在籍していた熟練の靴職人や、一流アスリート選手、トレーナーらで構成された開発チームが一丸となり、2年以上かけて完成させた。「疲れ」、ひいては「ケガ」に強い課題感を抱いていた集団が、真剣に「回復(リカバリー)」と向き合うことで生まれた。
川島さんが強調するのは「ファッションアイテムとしての認知が急速に拡大したが、見栄えがいいだけではない」ということだ。
人間工学に基づいた設計により、土踏まずをしっかりとサポートする形状を採用。実際に履いた者にしかわからない、足裏全体を包み込むような感覚は、しばしば「雲の上を歩くよう」と喩えられる。このような評価は、確かに一般的なサンダルとは一線を画している。
また、快適な履き心地を実現する工夫は随所に凝らされている。たとえば、立体成型されたトング部分は長時間の着用に耐え、痛みが出にくい。よく見るとソールには一定の傾斜がついており、歩行時の推進力を増す仕組みになっている。

土踏まず部分を少し立体的にさせることで、足を優しく包み込むようなフィット感を実現

ソール部分に一定の傾斜をつけることで、自然な動きを実現しながら、歩行時の推進力を増強している
本国アメリカでは発売開始から12年目になる。シンプルな見た目以上の効果は、本国では老若男女に広がり、医療関係者の間でも評価されるようになった。
2020年には全米足病医学協会(APMA)からの認定を取得。「足の健康に有益かつ一定の効果が認められ、足病医(ポドロジスト)による審査を通過した」と川島さんは説明する。
機能性は国内販売当初から謳われていたものの、こうしたOOFOSのフィロソフィーに早くから反応したのがファッション感度の高い層だったことで、結果的にOOFOSはファッションアイテムとしての認知が広がった。
「履いてみないとわからない効果がある一方で、人気により品薄状態が続いています。多くの人に履いてもらうことができておらず、『流行りのサンダル』に留まってしまっているのでは、というジレンマがあります」

足への効能が医学的な見地からも認められ、すべてのシリーズが全米足病医学協会(APMA)からの認定を取得している
足元から「文化」の礎に
一方、川島さんは「奥深いようで、奥深くないところもある」と率直に明かす。ある意味でアメリカらしい、力の抜けたところもあるのだ。
たとえば、サイズ感。アメリカのブランドがベトナムや韓国で生産するプロダクトであり、同じサイズ表記でも大きさにバラつきがあることも。この部分に関しては、「できるだけ試着をして確かめてほしい」そうだ。
品薄が続き、ショップで見かけない時期が長く続くこともあれば、どうやら大量に日本に入荷されることもあるようで、タイミングによっては公式オンラインストアにさまざまなサイズの在庫が復活することもある。ちなみに今は後者の時期で、比較的、入手しやすいタイミングになっている。
スタンダードなトングサンダルである「OOriginal」から始まったラインナップは、トングなしのバックル型の「OOahh」や、足先を包むキャップのある「OOcloog」 、シューズ型の新作「OOcandOO」など、今はさまざまに展開されている。

OOFOSのトップセラーモデル「OOriginal」。さまざまなカラーが展開されているが、ブラックがもっとも人気があるとのこと

シューズ型を採用した2022年夏の新作「OOcandOO」。ベルクロテープでホールド感の調整が可能

スライドタイプの「OOahh」(左)と「OOahh Sport」(右)。「Sport」モデルは、ロゴが大きくプリントされているのが特徴

アッパー部分に独自開発のストレッチメッシュを採用したシューズタイプ「Men's OOmg Mesh Low」
各シリーズには「ランの後」「バイクレースの後」「ヨガの後」など使用シチュエーションが想定されており、リカバリーサンダルたる所以を覗かせている。ただし、「必ずしも運動をしている必要はない」と川島さんは言う。
「現代人であれば、どんな生活でも、心と体を酷使しています。そんなとき、足元の安らぎが、少しでも負担を軽くできたら。実際に使ってみると、肉体だけでなく、精神的な面での効果も実感していただけると思います」
そのため、最近ではライフスタイルの変化により、自宅での生活を快適にするためのルームウエアとして使う人も増えているそうだ。
リカバリーシューズがブームや「靴」という枠を超え、「『下肢から心地よい日々を過ごす』という文化の礎になってほしい」と川島さん。広がりを見せたことで、今後、日本社会の中でどのように受け入れられていくのか、引き続き要注目のプロダクトだ。
文/あまのなお 写真/山田秀隆
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