コロナ禍で英会話学校の収入が激減

マユコ(45)と夫のボビー(52)は2020年、コロナ禍で経済的な窮地に立たされていた。2012年に結婚した二人は、新宿区で広い家を借りてAir B&B事業を営んでいた。日系アメリカ人のボビーは英会話講師も兼務。2015年には長男のカイも生まれ、一家の生活は順調に見えた。

しかし、変化は予期せずやってきた。

一つ目の変化は、2016年に法律が改正され、借家でのAir B&B事業にライセンスが必要になったことだった。だが、ライセンスの取得は容易ではなく、また新宿区では週末しか営業ができなくなったことから夫婦は事業継続を諦め、別の家に引っ越した。

次の変化は2020年。現在も続いているコロナ禍で、ボビーの勤める英会話学校が完全オンライン授業となった。多くの生徒が辞め、収入が激減した。Air B&B事業を営んでいた頃と比べ、月にして20万円もの減収に、夫婦は東京脱出を本気で考えるようになった。

それ以前から、カイが生まれたのをきっかけに「もっと空気や水のきれいな、大自然の中で子育てするのもいいね」と話していた二人にとって、都会を離れる時期が来たということなのかもしれなかった。

そんな時、ボビーのUCLA時代の同級生が、高知県仁淀川町でクラフトビール工房をオープンする。一家はオープニングレセプションに招かれると共に、「いいところだから家族で引っ越して来たら?」と誘いを受けた。

コロナ禍で仕事が激減。高知県に移住した一家を待ち受けていたもの_1
山深い高知県は澄んだ水源の宝庫だ

一家はオープニングへの参加を兼ね、仁淀川町を訪れることに。この時、すでに移住を視野に入れていたため、役場にアポも入れ、現地で移住相談員の面談を受けたという。相談員からは、空き家に住めるチャンスがあること、「地域おこし協力隊」が隊員募集中であることなどを聞かされた。