イメージする力が脳力アップのカギを握る

人は日常生活において頻繁に「空間認知能」を使っています。これを理解すると、できることが増えますから、ぜひマスターしてください。

本を読んでイメージを膨らませる。物を見て、それを絵に描く。相手が受け取れるようにボールを投げる。このように空間のなかで形や位置を認識する知能を「空間認知能」といいます。

空間認知能は、思考するときや身体を動かすときに重要な役割を担います。空間認知能は空間認知中枢によって働きますが、言語中枢も深くかかわっています。

物事の認識、判断、思考、記憶といった脳の機能には、空間認知能の働きが必要なため、空間認知能が低いと認識が十分にできず、思考が深まりません。

ですから空間認知能が低いと仕事が遅く、高ければ仕事も速くなります。

運動の得手、不得手を大きく左右するのも、空間認知能です。スポーツにおいては、物や自分の位置関係をきちんと把握し、それにしたがって身体をコントロールする必要があります。身体の動きがいい人は空間認知能が高く、変化していく位置関係を巧みにとらえています。

また、空間認知能は数字に対するセンスとも関係があって、空間認知能が低いと数字に弱い傾向があります。それは、数字を処理する中枢が空間認知中枢に接しているためです。

仮に「自分は空間認知能が高くなさそう」と思っても、心配はいりません。空間認知能は、イメージ通りに身体を動かしたり、運動したりすることで鍛えられます。そうした工夫を、日常生活にぜひ取り入れてみてください。