第5位:『サンタが殺しにやってくる』(1980年)

殺人サンタクロースが襲来!サンタの大虐殺が始まる…クリスマス・ホラー映画ベスト5_1
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まずはクラシックなクリスマス・ホラーの有名どころ、『サンタが殺しにやってくる』(1980年)から。

近所に住む子どもたちのプライベートを日々こっそり監視し、「いい子」と「悪い子」に分けてリスト化するという、薄気味悪い行いに耽っていた主人公のハリー。勤め先のオモチャ工場では、上司からも部下からも徹底的に侮られており、子どもたちのために素晴らしいオモチャを送り届けたいという彼の思いが顧みられることはない。

不器用で夢見がちなハリーのことは、弟さえもが見下している。多大なストレスを抱え込み、元々危うかった精神がついに限界を迎えたとき、彼はサンタクロースに扮し、たくさんのプレゼントを抱えて町に出る。それはもちろん、彼が愛するいい子を祝福し、そして悪しき子へは制裁を加えるために。

心より子どもたちの幸福を願ってはいるが、同時に奇行が目立ち、やはり社会とは相容れない点も多々見受けられる、陰気な主人公ハリーの人物描写が秀逸。
そもそも本来、純真無垢な彼がこうして歪んでしまった原因は、かつてサンタの格好をした父が、母と変態プレイに興じる様を、クリスマスの夜に目撃してしまったからだった。そして幼い頃、サンタの存在を否定した弟に抱いた悔しさが、ハリーの原動力となっている。

やや冗長でフックには乏しく、最終盤以外は辛気臭いドラマが中心の作品だが、キャラクター造形の面で異彩を放っている一本だ。