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エンタメ 2022.04.18

人生相談、写真集オタク、バイク野郎……個性派店主が営む独立書店オススメ3選

この20年間で書店のリアル店舗数は半減したという。みなさんの中にも、地元にある書店が閉店して寂しい思いをした人は多いだろう。ところが一方で、チェーン系列の書店と区別して独立書店と呼ばれる、個人が新しく本屋を立ち上げるケースが増えている。自らも本屋を経営し、独立書店に詳しいライターの和氣正幸氏が、クセの強い個性が際立つ店主が営む三店をオススメする。(トップ画像/撮影:和氣正幸)

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きっと素敵な一冊が見つかる

「本屋の店主のイメージは?」と聞かれたときどんなことを思い浮かべるだろうか?

「もの静か」「優しそう」「頭が良さそう」そんな言葉が出てくるかもしれない。しかし、実はそれだけではない。本が売れないと叫ばれて久しいこの社会で、果敢にもひとり、店を立ち上げたのが独立書店の店主だ。表からは見えにくいかもしれないが心の中には熱くたぎる情熱がある。200店以上もの本屋店主の話を聞いてきた筆者からすれば独立書店の店主は例外なく面白いと断言できる。今回、紹介したいのはその中でも特に個性が強い店主とその店だ。

人生相談まで受ける店主の不思議な魅力

一店目は知る人ぞ知る予約制古書店「なタ書」の店主・藤井佳之さん(45)だ。場所は香川県高松市。南新町商店街の横道にある。トタンの壁と溢れる緑。「古本」と看板に書いてはあるが本当に入っても大丈夫かと不安になる。

「な夕書」の外観(本人からの写真提供)

恐る恐る扉を開け、階段を登ると、空中を走る本棚。床の中の本棚。流れるようなうごめく本棚。アミューズメントパークのように不思議な本棚がそこかしこにある。その中にある大量の本・本・本。情報量に圧倒されていると奥にいる藤井さんが「どうも」と出迎えてくれた。片手には缶ビールのロング缶。取材時は朝の10時である。まさかの対応に驚いた。だが決してだらしないわけではなく、「取材で緊張しているから」とはにかみながら、このあとしっかりとお店のこと、ご自身のことを話してくれた。面白かったのが他の仕事をもっとしたいと話していたことだ。

「予約が入っていない時間はティッシュ配りとか他の仕事もしていて。そうすると書店の仕事が本当に良いものだと感じられる。だから他の仕事をもっとしたい」

どこまでが本心かわからない。気がついたら藤井ワールドに飲まれてしまっていた。

「な夕書」の内部(本人からの写真提供)

夜に店に行けば高松案内もしてくれる。古着屋、飲み屋、うどん屋……。路地裏の、観光では決してたどり着かないような店を教えてくれる。取材の日も案内してくれたが、早足で夜の街を進む後ろ姿についていったのは良い思い出だ。ただ、その日はたまたま最後の目的地の食堂がお休みで、何を思ったのか藤井さんから「原稿があるからここで」といきなり夜の街に置いていかれたのには困った。藤井さんが紹介してくださった初対面の女性2人と同行の写真家、筆者の4人で「え……」と呆気に取られてしまったものである。ちなみにそのあと4人で居酒屋に入り親交を深めたお陰か、1人はいまでも下北沢にある筆者の店に遊びに来てくれる。ありがとうございます。藤井さん。

「な夕書」店主の藤井さん(本人からの写真提供)

このように大雑把なのか丁寧なのか分からない、でも惜しまず与えてくれる……謎の妖怪みたいな捉えどころのない存在なのである。だからなのか何なのか、予約して訪れたお客さんが人生相談をすることもよくあるという。自分の力ではどうにもできない状況を妖怪の力でどうにかしてほしいということだろうか。謎は深まるばかりである。

【なタ書】
住所:香川県高松市瓦町2-9-7 2F
TEL:070-5013-7020
完全予約制
https://www.facebook.com/natasyo/
https://twitter.com/KikinoNatasyo

写真集オタクが店主の店

さて、二店目は陽光溢れる井の頭公園のそばにある写真集専門店「book obscura」とその店主・黒﨑由衣さんを紹介しよう。藤井さんが妖怪だとしたら黒崎さんはオタクだ。そう、写真集オタクなのである。写真集専門店というとある種の敷居が高いイメージがあるが、黒崎さんの店にはそれがない。黒崎さんの写真集に対する愛がとにかく溢れていて「ただ好きだから紹介したい」という潔さが感じられるのだ。

「book obscura」の店内(撮影者:和氣正幸)

「推し活をしているだけなんです」と黒崎さん。実際、店を訪ねると少しの会話から次から次へと写真集を勧めてくれる。例えば、筆者が「絵の勉強のためにトレースをしたくて」と話したところ、『PONTIAC』(Gerry Johansson)など4冊をすぐに紹介してくれた。キーワードは線。

「風景は立体なのに写真は平面。紹介したのは本来、立体であるはずのものが平面になったときに線としてどう見えるのかを見抜いている人たちの本です。絵を描くときにも線は大事なので」

丁寧に説明してくれた。オススメの理由を分かりやすく教えてくれるのも嬉しい。

店主の黒崎さん。シャイ(撮影者:和氣正幸)

それができるのは写真集を撮影のための参考資料としてではなく、写真集そのものとして好きだからだ。なぜその写真集がその判型でその紙でその印刷技法で、なぜその1枚の写真がその写真集に入っているのか。写真集をまるごと楽しむために写真家の一生や国の歴史、印刷業界やカメラの歴史まで見比べて調べるというから驚く。頭の中にある写真集のデータベースからお客さんに応じて一番良さそうなものを差し出してくれるのだ。もし写真について少しでも興味があるのなら、ぜひ訪ねてみてほしい。黒崎さんが写真の世界の深みにまで喜んで連れて行ってくれるだろう。

とてもオシャレな外観だ(撮影者:和氣正幸)

【book obscura】
住所:東京都三鷹市井の頭4-21-5 #103
営業時間:12:00〜19:00
定休日:火・水
https://bookobscura.com/

バイク愛に満ちた本屋

愛といえば、2021年11月に変わった名前の本屋ができた。その名も「本と、珈琲と、ときどきバイク。」だ。コンセプトはバイクと出逢うための本屋。バイク愛に満ちた世にも珍しい店はどうやって生まれたのか。

高校時代にバイクと出会ってからその美しさに惚れ込んだ店主の庄田祐一さん(35)。美大を経てバイクメーカーに就職したが「この組織の行く先に自分の居場所はない」と感じ、次の道を模索するようになった。そんな中でバイク本体のモノづくりよりも、バイクと人とを繋ぐ場所の存在や出会い方のほうが重要だと考えるようになる。バイクといえばやんちゃ、メカ、レース、男臭さといったイメージがあるが、それだけが全てではないはずで、もっと万人に開けたアプローチが必要だとずっと考えていた。ではバイクに乗る・乗らないを分ける境界線は何なのか。そこは好奇心が大きく左右するのではないかという持論のもと、そういった感性を培うのに最適な場所とはどんな場所か。庄田さんが導き出した答えが本屋だったのだ。

店主の庄田さん(撮影者:和氣正幸)

筆者はバイクに乗らない。だから庄田さんの仮説が正しいかどうかには半分しか答えられない。本屋、特に独立書店に来る人は確かに好奇心が強い人が多いように思う。だから半分は正しいと言えるだろう。しかし、バイクに興味があるかというと、どうだろうか。考えてみよう。

例えば、上記のような感性を持った人は旅に憧れを持つ人も少なくないのではないか。実際、筆者の店でも旅の本はよく売れるし、この想定は大きく間違ってはいないだろう。つまり、旅の本を読んで旅に出たくなる。知らない場所・知らない人に会いたい。そこで何かを知り、感じ、自分をアップデートしたいと思うようになる。その時の足として身軽なものはないか。そう考えた時に「バイクに乗れたら……」と思ったことが筆者にもある。なるほど。バイクと本はそう遠い存在ではないようだ。

店内のあちこちにバイクのフィギュアが置いてある(撮影者:和氣正幸)

だからだろうか。庄田さんの店には旅の本が多いように感じた。店内にはほかにも食の本や感受性や美意識といった人の気持ちに寄り添える本も並ぶのだが、あえてバイクの本を少なくしたのは、直接的ではなく遠回しにバイクの魅力を伝えていくようなこのスタイルこそが、バイクのことを知らない人たちに「なんかバイクって良いかも」と感じてもらい、未来の素敵な潜在ライダーが増えるための大事な要素なのではないかと庄田さんは語る。「だいぶ少数派ですけどね(笑)」とも。

たしかに本棚を眺めていると旅の本を始めとした筆者の好きな本もたくさん並んでいたが、正直なところ、今回の取材だけではまだバイクとの間には距離を感じた。だが、もし何度か通う機会があったら何かの拍子に好きな旅の本の隣にあるバイク雑誌を読んでみたくなるかもしれないし、買った本について併設のカフェで語り合えたらバイク沼にハマってしまうかもしれない。そう、この店はバイク好きが本好きを同じ沼に誘い入れるために仕掛けた比類なき罠なのである。カウンターの向こうで静かに微笑む庄田さんの顔が悪魔に見えてきた。彼もやはり並々ならぬこだわりを持って一つの空間を作り上げた店主の一人なのだ。

さて、これまで筆者がいまオススメしたい個性の強い独立書店3店を紹介してきた。しかし最後に言いたいのはどこの店もどこの店主も、それぞれの信念があり個性があるということだ。だから、筆者はこう唆す。どこかのタイミングで店主に話しかけてみるといいと。いつも行っている店のいままで知り得なかった魅力に気がつくかも知れないから。

本屋には見えない外観(撮影者:和氣正幸)

【本と、珈琲と、ときどきバイク。】
住所:静岡県掛川市富部150-7
電話:080-6364-1872
営業時間:11:00〜20:00
定休日:木曜日
https://enrich-moto.com/

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和氣正幸

わき まさゆき

独立書店を応援する書店ライター。東京新聞や時事通信社での連載実績を持つ。現在は『本の雑誌』で「書店の旅人」を連載中。単著に『東京わざわざ行きたい街の書店さん』『日本の小さな書店さん』とその続刊。ほか多数の書店紹介本や雑誌にライターとして参加。2020年10月にはNHK Eテレ「趣味どきっ!」にも出演する。下北沢にある書店のアンテナショップ「BOOKSHOP TRAVELLER」の管理人でもある。

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