北海道で公務員として働くかたわら、個人では日本全国のほぼありとあらゆる“都市伝説”を網羅した、作家の朝里樹さん。

彼が2017年に自費出版した同人誌が、日本全国津々浦々、マニアでも知らないような怪異話を事典形式でまとめた『日本現代怪異事典』だ。発売するや瞬く間に売り切れが続出。その後、笠間書院から商業版に改訂した同名本を発売するや、こちらも大ヒット。2022年時点で累計発行部数4万3000部超えを記録している。副読本や世界の怪異を扱ったシリーズ本も軒並みヒットし、一躍ホラー界の大人気作家となった。

今回はそんな怪異譚の新星・朝里氏が怖すぎる都市伝説をひとつ、ご紹介。

「今回紹介するのは2009年に某怪談サイトに投稿され、当時のオカルトファンを震撼させた『禁后(パンドラ)』という都市伝説です。だいぶ話を簡略化していますが、それでもこのお話のおぞましさに変わりはないでしょう……猛暑が続きますが、このお話で読者の方に一抹の涼しさを届けられれば幸いです」(朝里氏)