ハリウッドのトップスターの仲間入り確実!

役を射止めた鍵は亡き母への愛。『エルヴィス』そのものだったオースティン・バトラー_a
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彼がいなかったら、ザ・ビートルズもクイーンも生まれなかったかもしれない。そう言わしめる“キング・オブ・ロック”ことエルヴィス・プレスリーの波乱に富んだ半生がこのたび映画化された。そのタイトルもズバリ『エルヴィス』だ。

50年代から70年代まで、アメリカのみならず世界の音楽界に君臨した不世出のアイコンを演じるのは、新鋭オースティン・バトラー。これまで『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019)等に出演していた彼にとっては初のメジャー主演作だ。

本作をジャンプ台に、ハリウッドのトップスターになりそうな気配しかしないオースティン。その美貌と演技力に注目だ!


――そもそもエルヴィス・プレスリーのファンだったのでしょうか?

僕がファンというより、祖母が大ファンだったんだよ。祖母の家に行くといつもエルヴィスの曲が流れていて、一緒に彼の主演映画を見ていた。だから、とても近くにエルヴィスがいたので、いつの間にかファンになったという感じかな。でも、だからといって、まさか自分が演じることになるとは思いもしてなかったけどさ(笑)。

――確かに、素顔はまるでエルヴィスには似てないですよね?

そう。自分で似てると思ったこともないし、周囲に似てると言われたこともない。ルックスはね。ただ、歌声に関しては「似てる」と言われたことがある。それが今回の出演に関係しているんだけど。

――というと?

本作の企画について耳にしたのは2019年の2月だった。その前年のクリスマス時期に友人とドライブしていたら、ちょうどエルヴィスのクリスマスソングが流れてきたんだ。僕がそれに合わせて歌っていたら、友人がまるで閃いたかのように、僕の腕を掴んで「エルヴィスを演じるべきだよ!」って。

その後、またその友人と一緒にいるとき、ピアノを弾いて歌っていたら、「ほら、やっぱりお前はエルヴィスを演じるべきだ。自分で権利を手に入れてでもやったほうがいい」みたいに言ったんだ。それから数日後、バズ(・ラーマン監督)が『エルヴィス』を撮ろうとしているという連絡が入った。まるで星が一直線に並んだような感じってわかるかな? 運命的な気持ちになってしまい、「よし、この役に挑戦してみよう!」と誓ったんだ。