主力戦車1000両の大型商談

世界中でバカ売れする韓国製兵器――ガラパゴス化する日本が防衛産業でも完敗している理由_1
韓国のK2戦車
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ドネツク州の要衛であるリマンを奪還するなど、対ロシア戦でウクライナが攻勢を強めている。そのウクライナの善戦を支えているのがNATO諸国からの武器援助だ。ポーランドもその一員で、自国の旧ソ連製T-72戦車240両などをウクライナに供与している。

ただ、ロシアと国境を接するポーランドはNATO内ではロシアとの最前線防衛を任されているため、ウクライナに供与した武器分の穴は早急に埋めないといけない。意外にもその穴埋め役を果たしているのがお隣の韓国だ。

今年7月27日、ポーランドはウクライナ支援に回したT-72の代替として、韓国製のK2戦車(黒豹)180両の購入を決定している。さらに2026年からは、K2のポーランド仕様であるK2PLを820両も国内で生産する基本合意書も交わしている。主力戦車計1000両という大型商談には正直、驚くばかりだ。
 
1999年にNATOに加盟して以来、ポーランド軍はそれまでソ連式装備が中心だった兵器体系を西側の規格に合わせ、他のNATO加盟国との相互運用に傾注してきた。とはいえ、設計思想の異なる兵器体系を変えるには時間も費用もかかる。

そのため、保有する約800両の主力戦車も西側装備はドイツ製「レオポルド2」240両にとどまり、残りの70%は依然として旧ソ連製の「T-72」が主流を占めていた。

ところが、ロシアによるウクライナ侵攻が起き、兵器体系を切り替える動きを加速化せざるを得なくなった。その商機を逃さず、主力戦車1000両という大型商談受注に成功したのが韓国だったというわけだ。