こんにちは、名字研究家の髙信幸男です。
第2回は、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の舞台にもなっている、神奈川県にルーツを持つ名字です。
古来より、地位のある人が褒美として名字を授けるということは多く行われていて、鎌倉殿––頼朝も征夷大将軍になるまでの間に、助けてもらった人々に名字を与えたと言われています。
また、2代目の鎌倉殿、頼家を支えた13人に名を連ねる「三浦」「梶原」「和田」などの名字は、鎌倉から全国に広がった名字です。
鎌倉がある神奈川県に多い名字の1つに「石渡」というのがあります。「いしわた」または「いしわたり」と読むこの名字は、かつて位の高い人物…残念ながら誰なのかはわからないのですが…が、川や浜辺などを渡る際に石を使って渡して差し上げた、あるいは、石が多い土地を何らかの方法で渡して差し上げたため、褒美として賜ったのではないかと考えられます。
名字から歴史に思いを馳せるのも楽しいですね。
三浦という名字の起源は鎌倉から。『鎌倉殿の13人』の舞台・神奈川県の難読名字クイズ
『沸騰ワード10』(日テレ系)の超人気コーナー、「名字頂上決戦」でお馴染みの髙信幸男先生が、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の舞台にもなっている、神奈川県にルーツを持つ難読名字を紹介!

髙信幸男先生
神奈川県には、鎌倉殿が授けた名字もある?
神奈川県の難読名字にチャレンジ!
神奈川県の難読名字クイズは、5問。下にある3つの読みのうち、正解は?
正解欄では、由来やエピソードも解説。
初級

けんもり ごんのかみ ごんしゅ

ういろう げろう がいろう
中級

つきでじま みかづきしま はいじま
上級

ちょっき いっすんぼく ちょいき

うめぼしの ばいかんや ほやの
初級

【答え】ごんのかみ
「権(ごん)」は、朝廷の定員を超えて任命する官職「権官」のことで、「守(かみ)」は国司の最高位のこと。要するに、とても偉い人が名乗った名字で、神奈川県では「ごんのかみ」、山梨では「ごんもり」と読む人が多いですね。

【答え】ういろう
私が確認した限りでは、神奈川県小田原市の1軒だけの珍しい名字。14世紀、元(中国)から博多に来た陳延祐(ちんえんゆう)が、元の王朝で務めていた礼部員外郎という役職から「外郎(ういろう)」と名乗ったのが始まり。1504年に北条早雲に招かれて小田原に移り住み、「透頂香(とうちんこう)」という薬を製造。「ういろう」という菓子も、外郎氏が発案したもので、小田原銘菓となっています。
中級

【答え】はいじま
東京都の地名「拝島」が由来ではないか考えられます。「朏」という文字には「みかづき」の意味があり、もしかすると、拝島の地で三日月を拝んだことから「拝島」に「朏」の時を当てたのかもしれません。ちなみに「朏(みかづき)」さんも全国に何軒かいらっしゃいます。
上級

【答え】ちょっき
一寸とは約3センチメートルと、チョットした長さのことなので、一寸の木と書いて「ちょっき」と読ませます。他にも「いっすんぎ」「ますき」「ちょっとぎ」など様々な読み方の「一寸木」さんがます。「ちょっき」さんは、全国でも小田原市に3軒だけある珍しい名字です。

【答え】ほやの
全国でも平塚市に6軒ある「梅干野」さんの由来は、東京都にある「保谷(ほうや)」という地名ではないかと考えられます。八王子市に「保谷野(ほやの)」さんが3軒ほどいらっしゃって、こちらの一族は、保谷地区から移り住んで、故郷の地名から「保谷野」を名乗ったと考えられます。「梅干野」さんも同じ一族と考えられ、なぜ梅干にしたのかお尋ねしたいと思っているのですが、コロナ禍で延期になっているのが残念です。
取材・文/工藤菊香
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