ビジネスシーンでの待ち合わせ。以前は5〜10分前と言われている時代もありましたが、今は「約束の場にジャストタイムか1分前程度を目指す」人が59%。
「打ち合わせの時間1分前かジャストタイムにやってくる取引先の人たちがいます。遅刻は論外ですが、わりと早めに到着する人が多かった印象。それがまた、こちらとしては少々迷惑だったりしたので、絶妙だなぁと思いました」(スポーツメーカー・28歳)
名刺交換、お詫び、お礼……取引先で使える、信頼度がアップする気くばり術
職場で「できる」と言われる人の多くは「気くばり上手」。だが、一口に気くばりといっても、時代とともにそのニュアンスには変化が生じている。働く女性たちのリアルな意見をまとめた『人間関係がうまくいく 働く女子の気くばり新常識100』(池野佐知子著・リベラル社)から一部抜粋・再構成し、取引先や出先で信頼度がアップする気くばり術を紹介する。
好かれる人の「気くばり新常識」 #2
ジャストタイムかマイナス1分程度を目指す

ジャストタイムか1分前程度を死守するためには、受付を済ませて案内される場所に行くまでの時間を考慮して、最低でも10分前には到着しておきたいところですが、多くは「(他社には)20〜30分前に到着するようにしている」という答えでした。
ちなみに、「社内ミーティングの場合は5分前到着」が86%。みなさん、状況に合わせて、うまく時間のマナーを使い分けているようです。
「名刺にメモ」で相手を忘れない工夫を
ビジネスマナーの基本のひとつ、名刺交換。受け渡しの作法に気を遣うという人は多いと思いますが、スマートに交換できれば、それだけでOKなわけではありません。
「仕事の引き継ぎで先輩からもらった名刺ホルダー。わかりやすく地域別に整理されていて、かつ名前の裏にはその方の特徴や性格の傾向、なかには『この言葉に弱いよ』『これは地雷』などまで書かれていました。細やかな気くばり!」(コンピュータ・26歳)
引き継ぎの場合だけでなく、自身が名刺をいただいたときも、その方をきちんと覚えておけるよう、名刺の裏や、表の下方に特徴を書き添えてホルダーインしている人は少なくありません。
一度お会いした方のお名前などを忘れないための配慮のひとつとして、取り入れたい気くばり術です。
名前を忘れられていそうな人にはさりげなく自己申告
こちらがしっかりと名前を覚えていたとしても、相手も同じようしてくれているとは限りません。「名前を忘れられた経験がある」という人は、88%。
確かに、一度だけしか会っていない人の名前をきちんと覚えておくのは至難のワザ。これを反面教師に、2回目にお会いする前には、念のために名刺をチェックしたり、共通の知人などに確認したりするといいと思います。
「この方、どうやら私の名前を思い出せないみたい」というときには、さりげなく自分から、「ごぶさたしています。○○です」という具合に名乗るのがスマート。また、居合わせた人の名前を思い出せないような方がいたら、会話のなかで「○○さん、どう思いますか?」など、その人の名前を示唆。それだけで、その場にホッとした空気が流れます。
相手を怒らせたときの対処法
仕事上でのミスやトラブル。できれば避けたいことですが、どうしても起こってしまうときもあります。そんなときはその後、どう対応するかが肝心です。
「『怒っている人のところには1分でも早く』と会社の先輩から教えてもらい、以降、その教えを守っています。とにかく早い謝罪。できたら相手のところまで行って謝罪します」(調査・29歳)
「ビジネスシーンでの謝罪はまず電話で」という人が96%。多くが「電話で謝罪の後、直接出向く」でした。遠方の場合は、「わび状をおわびの品と共に送る」という意見も。
「おわびは早くが基本」は100%。働く人の総意です。
出向いた後は「お怒りをひたすら受け入れて言い訳はしない」(人材派遣・32歳)、
「怒りが収まったところで再び深くお辞儀をし、『ご指南ありがとうございました』で締めます」(ゼネコン・36歳)など、おわびと、叱ってくださったことへの感謝をセットにして伝えるといいでしょう。
感謝のことばに「○○さんのおかげで」をつける
仕事のこと、人間関係のこと、人生のこと。誰かにアドバイスを受けたり、教えてもらったりすることは多くあります。
相手があなたのために時間を割いて何かを教えてくれた場合は、「ありがとう」を口にすると思いますが、そのとき枕詞にしたいのが、「○○さんのおかげで」というセリフ。
「教えたその場でもお礼を言われたのですが、数カ月後に『Yさんのアドバイスのおかげで、プレゼン大成功でした』との連絡が。その気くばりに感心しました」(広告・32歳)
このコメントにヒントが。アドバイスや教えの結果が出たときには、改めて感謝の言葉を伝えましょう。相手はあなたにもっと教えたいと思ってくれるはずです。
好かれる人の「気くばり新常識」#1はこちら
人間関係がうまくいく 働く女子の気くばり新常識100
池野 佐知子
2022/1/17
¥1,320
240ページ
978-4434298622
「サンデー毎日」で25年続く人気連載「OL400人は考える それってどうよ!?」の著者が選んだ、現場で役立つ好かれる人がやっている気くばりが満載。働く女子400人強へのアンケートデータに寄せられた生の声から、定番&イマドキの気くばり、オンライン・SNSでの気くばりがよくわかる。
写真/shutterstock
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