次は「優勝確信バット投げ」か?

ヤクルトファンからは好評だったこのバット投げだが、一部の評論家からは「マナーが悪い」との指摘もあったという。これがバット投げをやめた原因なのだろうか?

「道具を大切にしていないとか、相手へのリスペクトを欠いている、など、ベテランOBの目に好ましく映らないのも理解は出来ます。でも、それを言いだしたら山川穂高(西武)の“ドスコイ”に代表される、ベンチに戻った後のド派手なパフォーマンスはどうなんだ、って話ですよね。評論家に何か言われてやめた? いやいや、村上はそんなタマじゃないでしょう(笑)」(前出・スポーツ紙デスク)

この一件、スポーツ紙のヤクルト担当記者はどう見ているのか。

「意識的にやめてしまったのかどうかはわかりませんが、村上は試合中も常に前列に座って声を出し、選手を鼓舞しています。もともと自分が打つことで少しでもチームによい風を吹かせたいと思うタイプで、あのバット投げも、自身のパフォーマンスであると同時に、チームを盛り上げようという考えから始めたようなんです。

55号を打った9月13日の試合後も、『ホッとした、嬉しいという気持ちより、今日の試合を勝ちたかったという悔しさの方が大きい』とフォアザチームを口にしていたのが印象的でした。

そんな村上のことですから、それこそ優勝を決める大一番などで打ったら、また投げるかもしれませんよ。まさに“優勝確信バット投げ”ですね」

ファンの間では今も「多分、神宮限定」「大差がついたゲームでは投げない」「レフトへの打球では物理的に投げにくいのではないか」など、様々な論考がなされるが、打球だけでなく、売った後のバットの行方にまで注目が集まるのだから、やはり今季の村上は神がかっている。

写真/共同通信社