ひとりで泣いた夜
――浅倉唯さんといえば、故郷・青森への愛です!
はい‼︎ もう、心は青森への愛で溢れています(笑)。
――スマホには、ご自身で撮った、故郷の写真が入っているとか?
私が生まれ育ったのは青森県の弘前市というところで。帰省した際に列車の車窓から撮った津軽平野と、“津軽富士”と呼ばれる岩木山の写った写真が、私にとっては大事な大事な宝物です。
――時々、それを眺めている?
時々じゃなくて、しょっちゅうです。寂しいとき、悩んだとき、心が折れそうになったとき…その写真を見て元気と勇気をもらっています。
――女優になりたいと思ったのは、東京に来てからですか、それとも、青森にいる頃からですか?
青森で暮らしていた頃からです。幼稚園のお遊戯会で歌と踊りを披露して、将来こういう仕事に就けたらいいなぁと漠然と思うようになって。ただ、どうせ無理だろうと思う気持ちもあったので、両親にも友達にも内緒にしていました。
――誰にも言わなかった?
東京には芸能コースの専門学校がありますよね?でも、青森にはないんです。パソコンで検索しても、0件という数字しか出てこないんですよ(笑)。だから、あくまで夢は夢で…。誰にも言わなかったというより、誰にも言えなかったというのが正確なところです。
――で、大学進学を機に東京へ、ですね?
そうですね。両親は大学に行くために必死で勉強していたと思っていたみたいですけど、私の中では、東京へ行って自分の夢を叶えるための通過点として勉強していました。
――現実は厳しかったですか?
はい厳しかったです。まず、東京に出てきたその日の夜からホームシックになって。寂しくて悲しくて…狭い部屋でひとり膝を抱えて泣いていました。