世界が注目! おとぼけビ~バ~のヒストリーを振り返る
「ドーン!」「Don't!」「ドーン!」「Don't!」
夜中の3時、かほキッスがバスドラでリズムを刻むと、ステージを埋めた数千人の観客は一斉に歌いはじめた。海外を中心に130万回再生を記録する「ハートに火をつけたならばちゃんと消して帰って」の、印象的なオープニングパートだ。会場は日本ではなく、Beckやテーム・インパラ、ストロークスなどがヘッドライナーを務めたスペインのフェスティバル「プリマベーラ・サウンド2022」。約2年ぶりに海外公演を行ったおとぼけビ~バ~のパフォーマンスは、オーディエンスのモッシュによって柵が壊れてしまうほど盛り上がりを見せ、同フェスのハイライトにも選ばれた。
大学の音楽サークル内で2009年に結成されたおとぼけビ~バ~。現在は、オリジナルメンバーのあっこりんりん(Vo.)、よよよしえ(G.)に加え、ひろちゃん(B.)、かほキッス(Dr.)の4名で活動する。自費で渡航した海外ツアーを経て国外からも注目されるようになり、2016年以降、イギリスのDAMNABLY(過去に少年ナイフなどをリリース)からCDやアナログがリリースされている。
その音楽の特徴は、頻繁なリズムチェンジを繰り返すノイジーなショート・チューンに、京都弁の話し口調やお笑いの要素を取り入れた「間」と「フリ・オチ」が絶妙に効いた歌詞の融合だ。日本では小籔千豊らお笑い芸人からも注目を浴びているほか、海外の著名アーティストからも高く評価されており、デイヴ・グロール(フー・ファイターズ)、ラーズ・ウルリッヒ(メタリカ)、フレッド・ダースト(リンプ・ビズキット)などがSNSで称賛。2018年には、世界最大級のフェス「コーチェラ・フェスティバル」にも出演を果たした。2022年は、前述のスペインをはじめ、フランス、スロバキア、そして日本ではフジロック・フェスティバルへの出演が決まっている。